結果の概要:住宅着工件数は前月から減少、市場予想も下回る

米住宅着工,許可件数
(写真=PIXTA)

4月18日、米国センサス局は3月の住宅着工、許可件数を発表した。住宅着工件数(季節調整済、年率)は121.5万件(前月改定値:130.3万件)と、128.8万件から上方修正された前月改定値から減少、市場予想の125.0万件(Bloomberg集計の中央値、以下同様)も下回った(図表1、図表3)。

住宅着工に先行する住宅着工許可件数(季節調整済、年率)は、126.0万件(前月改定値:121.6万件)と、こちらは121.3万件から上方修正された前月改定値を上回ったほか、市場予想の125.0万件も上回った(図表2、図表5)。

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結果の評価:住宅市場の回復は持続

住宅着工件数の伸びは、前月比▲6.8%(前月:+5.0%)と前月からマイナスに転じたものの、前年同月比では+9.2%(前月:+7.4%)と4ヵ月連続のプラスとなるなど、回復基調が持続している(図表3)。これは2月までみられた暖冬が一部影響している可能性がある。

住宅着工件数(前月比)を戸建てと集合住宅に分けてみると、戸建てが▲6.2%(前月:+7.6%)と3ヵ月ぶりにマイナスに転じたほか、集合住宅も▲7.9%(前月:横這い)とマイナスとなった。

一方、住宅着工件数(前月比)の地域別寄与度は、北東部こそ+1.2%ポイント(前月:▲0.8%ポイント)と前月からプラスに転じたものの、それ以外の地域では、中西部が▲2.3%ポイント(前月:▲1.4%ポイント)、南部が▲1.5%ポイント(前月:▲1.4%ポイント)、西部が▲4.1%ポイント(前月:+8.5%ポイント)と全てマイナスとなった(図表4)。

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住宅着工の先行指標である住宅着工許可件数は、前月比が+3.6%(前月:▲6.0%)と前月からプラスに転じた。さらに、前年同月比は+17.0%(前月:+4.6%)と15年11月(+19.9%)以来の伸びとなったほか、4ヵ月連続でプラスとなっており、回復が続いている(図表5)。

住宅着工許可件数(前月比)を戸建て、集合住宅でみると、戸建ては▲1.1%(前月:+3.1%)と前月からマイナスに転じた一方、集合住宅は+13.8%(前月:▲21.0%)と前月の大幅なマイナスからプラスに転じた(図表6)。

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これまでみたように、住宅着工件数は減少したものの、先行指数である許可件数の増加が続いており、住宅市場の回復が持続していると判断できる。

また、建設業者のセンチメントを示す住宅市場指数は、4月が68(前月:71)と、前月からは小幅に低下したものの、高い水準を維持しており、景況感は堅調である(図表7)。さらに、足元では長期金利が低下していることも、住宅市場の回復を下支えしよう。

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窪谷浩(くぼたに ひろし)
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 主任研究員

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