LINE <3938> が4月26日に2017年12月期第1四半期決算を発表した。売上高は前年同期比16.3%増の389億円、営業利益は同24.6%減の40億円、税引前利益は同13.9%減の36億円、純利益は同黒字転換の16億円となった。純利益は黒字転換したものの営業減益を嫌気して、4月27日の株価は大きく下落している。
広告事業は好調、広告宣伝費の負担が重荷に
広告事業の貢献により、売上高は前年同期比で2ケタ成長となっている。同事業では、パフォーマンス型広告と呼ばれる、タイムラインやLINEニュース上に表示される広告が大きく伸びている。広告事業全体の売上高は前年同期比で39.4%増となっている。
お年玉付き年賀スタンプが公表だったコミュニケーション事業も増収を支えた。同事業の売上高は前年同期比5.0%増となっている。一方でコンテンツ事業は売上高が同12.0%減と振るわなかった。LINEマンガは好調に推移したものの、目玉タイトルのリリースが無かったLINEゲームが足を引っ張ったと見られる。
増収の反面、営業利益は2ケタ減益となった。営業費用は前年同期比22%増加した。格安スマホ「LINEモバイル」の広告宣伝費やシステム開発費の増加に加え、従業員数の増加により、人件費の負担も増えた。
海外音楽配信事業「ミックスラジオ」の撤退に関する損失が大幅に縮小した事で、純利益は前年同期から黒字転換を果たした。しかし、営業利益が改善しなければ、今後の増益は見込めない。営業利益率は前年同期の16%から10%へと低下している点も懸念材料となる。
同社はスマホアプリ市場の不確実性を理由として、2017年12月期の通期業績予想は開示していない。