6月の株主優待は外食店などの企業に6月/12月決算が多いため、株主優待マニアでなくとも気になる会社がたくさんあるだろう。

最近は株主優待だけをとるためにクロス取引の手法も広まってきた分、悲劇的な逆日歩がつくパターンも増えている。株主優待での王道は安いときに株を拾い長期投資することだろう。6月末の権利をとるために大切な注意点を紹介しておこう。

6月人気はすかいらーく、マクドナルドなど

株主優待
(写真=PIXTA)

6月/12月決算は外食関係で個人投資家に人気のある企業が多い。すかいらーく <3197> は100株(17万円程度)で半期に一回3000円の食事券がもらえる。

日本マクドナルド <2702> は100株保有(39万円相当)で半期に一度優待券でマクドナルドのバーガー、ドリンク、ポテトなどのセットが6回食べられる冊子を貰える。高いバーガー類やポテトのLでもOKなので1シート1000円を超えることも可能だ。その他、カゴメ <2811> 、ロイヤルHD <8179> なども6月優待の人気常連だ。

6月末の権利付き最終日は6月27日

17年6月末の株主優待の権利付き最終日は6月27日になる。株主優待の権利が確定するのは、その期末の株主名簿に載ることだ。

そのためには、権利付き最終日までに株を買い、受け渡しが6月末までに完了する必要がある。だから、権利付き最終日は通常は決算期末の3営業日前になる。株主優待が欲しい場合は、必ず現物で権利付き最終日までに購入しておこう。

信用取引でも配当に関しては証券会社経由で支払われるが、株主優待に関しては信用の買いポジションでは権利がつかない。したがって、株主優待が欲しい銘柄を信用取引で買い立てている場合は権利付き最終日までに現引きしておくことを忘れないようにしよう。

クロス取引で株主優待取りの罠

株の手数料が安くなったために「株主優待のタダ取り手法」が広まっている。

期末名簿にさえ名前が載れば権利確定なので、それ以外の日に保有している必用はない。したがって、権利付き最終日の前場寄り付きか後場寄りで、現物の成り行き買いと信用の成り行き売りを同株で入れるクロス取引を入れる。権利落ちの翌日以降、信用の売りに対して現渡しをすれば決済は完了だ。値動きのリスクを廃して、期末1日だけ株主になる方法だ。

ただ落とし穴がある。信用売りは誰かから株を借りて売ることになるので、株価が急騰したり、クロス取引等で借り株が人気化して株券の需給がタイトになったりすると、信用の売り方に逆日歩と言う品貸料が発生することがあるからだ。

17年3月末で話題になったのはアドアーズ <4712> だ。アドアーズは3500株を保有しているとリラクゼーションサロンの「OLIVE SPA」で使える120分のアロマオイルトリートメント(2万2000円相当)のチケット2枚が貰える。

この優待券が、マツコの「月曜から夜ふかし」で紹介されたためにクロス取引が人気化した。3500株をクロス取引した人には8万4000円の逆日歩がついてしまった。4万4000円の優待券を8万4000円で買ったことになる。こういう例は枚挙に暇がない。牛丼の3000円優待券狙いで結局6000円かかったなどという例も有名だ。

王道は長期投資 1ヶ月前ではもう遅いかも

やはり優待の王道は好きな企業の好きな株主優待を得るために長期投資をすることだ。ディズニーリゾートのパスポートがもらえるオリエンタルランド <4661> やマクドナルド優待券がもらえる日本マクドナルド <2702> の株は個人株主が長期保有していることで有名だ。米マクドナルドが日本マクドナルドの株売却を一時表明したが、日本マクドナルドは優待狙いの長期保有の個人投資家が多いためバリュエーションが割高で、投資ファンドが見送ったという話もあるくらいだ。

人気優待銘柄は期末にかけて上げること画多い。皆が権利取りのチャンスを狙っているからだ。期末前に長期投資で買いを入れ、キャピタルゲインと株主優待の両取りができれば理想的だ。かつては、人気優待銘柄は期末の1ヶ月前くらいから動き出す傾向が強かったが、最近は優待人気が定着してきたためか1ヶ月前では間に合わない銘柄も増えてきている。

たとえば、6月人気銘柄のすかいらーくもマクドナルドもすでに今年5月にはいずれも年初来高値を更新している。株主優待狙いなら2ヶ月前から仕込み時を狙うか、市場の暴落時に思い切って買いを入れるようなスタンスがいいかもしれない。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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