中国の地方紙に、中国人の精神疾患に関する特集記事が掲載された。中国人は遠慮なく言いたいことを言い、ストレスなどとは無縁に見える。しかし自己主張と交渉を延々と繰りかえす中国社会はとても過酷だ。これを中国紙は、仕事や生活さらに“情感圧力の重攻囲の下”、不眠や焦燥感などに苛まれる人は増加する一方と表現している。

中国の精神疾患

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(写真=Beer5020/ Shutterstock.com)

国家衛生計画委員会(厚生労働省に相当)の近日発表したデータによれば、中国の精神心理疾病罹患率は17.5%という高率だ。何と2億3000万人に近い。そのうちうつ症状関連は3.59%、不安障害は4.98%でいずれも増加中である。これに対して精神衛生を扱う施設は全国で2000カ所不足しているという。精神科の医師は2万人に過ぎず、専業となるとさらに少ない。

山東省・青島市精神衛生センターの心理医院のR主任によると、彼に対する診療予約は半年先までいっぱいである。また同院は山東省(人口9847万人)で唯一の心理治療外来を持つ公立病院である。精神科医師は8名いるが、どの医師に対する診療予約も早くて2カ月後だ。

こうした状況に鑑み、国家資格の心理カウンセラー職にスポットが当たっている。先日実施された2017年上半期全国(省)新職業統一検定テストでは、心理カウンセラー職が最も人気のある職種に返り咲いた。心理カウンセラー資格取得者は、2003年から毎年50%ペースで増え続け、90万人に達している。

しかしWTOは、人口1000人当たり1人の心理カウンセラーが“健康社会のバランス”のために必要と唱えている。それには中国全土で130万人の心理カウンセラーが必要だ。

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