テンセントとアリババは、いまや現代中国を象徴する企業である。ゲームやSNS(テンセント)、ネット通販(アリババ)と出自は異なるが、今や投資や金融のあらゆる場面で争っている。ネットニュースで馬化騰(テンセント)馬雲(アリババ)の“2人の馬”を見ない日はない。もっともホットなのは、微信支付VS支付宝の電子決済のシェア争いだ。それとは別に両者は銀行子会社でも激しく争っていた。ニュースサイト「今日頭条」がこれを取り上げた。

急激な業績向上

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(画像=Webサイトより)

近日、テンセント旗下の微衆銀行とアリババ旗下の網商銀行が、2016年の業務報告を発表した。両行とも急激に業績を改善し、営業収入は2015年の10倍に拡大した。全国トップ5の民営銀行と比較すると、微衆銀行の利潤は最高、網商銀行は資産規模と営業収入で最高だった。

「微衆銀行」は、2014年12月中国で初めて認可されたネット銀行である。資本金42億元、最大株主はテンセントグループの深セン市騰訊網域計算機網絡という会社で、持株比率は30%である。2016年の営業収入は24億5000万元だった。2015年は2億3000万元で、10倍以上に伸長した。そのうち利息収入は18億4000万元、手数料、コミッション収入が5億6000万元だった。純利益は4億100万元、2015年は5億8000万元の欠損だったため、大幅に改善した。

「網商銀行」は、2015年5月設立、資本金40億元、最大株主はアリババグループのアント・フィナンシャルで、持株比率はこちらも30%である。2016年の営業収入は26億3600万元だった。2015年は2億5200万元で、やはり10倍以上の伸長である。純利益は3億1500万元、2015年は6900万元の欠損だった。

異なる戦略