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Written by TakanoYusuke 183記事

微衆銀行と網商銀行

中国 テンセント対アリババの戦い、電子決済のシェア争い熾烈に

テンセントとアリババは、いまや現代中国を象徴する企業である。ゲームやSNS(テンセント)、ネット通販(アリババ)と出自は異なるが、今や投資や金融のあらゆる場面で争っている。ネットニュースで馬化騰(テンセント)馬雲(アリババ)の“2人の馬”を見ない日はない。もっともホットなのは、微信支付VS支付宝の電子決済のシェア争いだ。それとは別に両者は銀行子会社でも激しく争っていた。ニュースサイト「今日頭条」がこれを取り上げた。

急激な業績向上

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(画像=Webサイトより)

近日、テンセント旗下の微衆銀行とアリババ旗下の網商銀行が、2016年の業務報告を発表した。両行とも急激に業績を改善し、営業収入は2015年の10倍に拡大した。全国トップ5の民営銀行と比較すると、微衆銀行の利潤は最高、網商銀行は資産規模と営業収入で最高だった。

「微衆銀行」は、2014年12月中国で初めて認可されたネット銀行である。資本金42億元、最大株主はテンセントグループの深セン市騰訊網域計算機網絡という会社で、持株比率は30%である。2016年の営業収入は24億5000万元だった。2015年は2億3000万元で、10倍以上に伸長した。そのうち利息収入は18億4000万元、手数料、コミッション収入が5億6000万元だった。純利益は4億100万元、2015年は5億8000万元の欠損だったため、大幅に改善した。

「網商銀行」は、2015年5月設立、資本金40億元、最大株主はアリババグループのアント・フィナンシャルで、持株比率はこちらも30%である。2016年の営業収入は26億3600万元だった。2015年は2億5200万元で、やはり10倍以上の伸長である。純利益は3億1500万元、2015年は6900万元の欠損だった。

異なる戦略

両行は同時に大発展を遂げた。しかしそれぞれテンセント、アリババという巨大企業に依存するため、発展の方向性は異なる。微衆銀行は消費者ローンに力を入れ、網商銀行はアリババネット通販の出店者に対する金融サービスに力を入れていく。

「微衆銀行」は“微粒貸”と呼ばれる小口のネットローンに力を入れている。無担保でテンセントのSNSを通じ簡単に借り入れできる。2016年末の貸出残高は1987億元である。5月の段階では400億元しかなく、後半の7カ月で5倍に拡大した。昨年末の総資産は519億9500万元に達し、前年比424億元、440%増加した。

「網商銀行」の主力商品は“網商貸”と“旺農貸”である。網商貸は、淘宝、天猫などネット通販出品者向けローンである。昨年末で277万の小事業者が利用している。
旺農貸は、アリババ集団の掲げている1000県に10万のサービスステーションを設置し、農村の物流や商品購入に寄与する“千県万村”計画に沿った農村向けローンである。昨年末の貸出残高は37億6000万元となっている。また同行の総資産は615億2200万元に達した。

銀行トップ100入りも近い

中国銀行業協会発表の2016年の銀行100強ランキングによると、100位クラスの総資産は900億元前後である。しかし微衆銀行は1年で4倍以上資産を増やしている。両行とも100強入りは間近だろう。

微衆銀行は、個人と個人消費がターゲットだ。ビッグデータを駆使したモデルは着実に精度を増している。顧客は爆発的に増加するポテンシャルがある。

網商銀行は、商店主と農家がターゲットだ。顧客数は少なくても借入金額は大きい。アリババグループのプラットホームを動員すれば、発掘できる顧客は巨大である。

とにかく両行とも2015年の欠損からの急発展は、世間を驚かせた。記事は最後に、やがて伸び率は落ちる、いまのそれは常態ではないからだと結んでいる。どこまで伸びるか今後はもう見通せない、と匙を投げているようにも見える。

たしかにこれは、テンセントVSアリババ戦の一局面にすぎない。全体を俯瞰するのは難しいが、できるだけ見逃さないようにしたい。彼らは世界中に投資しているからだ。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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