2017年の土用の丑の日は7月25日(火)と8月6日(日)の2回ある。土用の景気付けで、今年前半にうなぎ上りだった銘柄を振り返ってみよう。下期のテンバガーのヒントにも迫る。

日経平均は4.8%高、マザーズ25.4%高、ジャスダック18.7%高

うなぎ,上半期,上昇率10銘柄
(写真=PIXTA)

17年上期の日本株式市場は日本企業の業績回復を背景に上昇、日経平均は6月に2万円を回復した。2万円台は15年12月以来1年半ぶり。6月末の日経平均は2万33円で終え、上半期の上昇率は4.8%だった。東証株価指数(TOPIX)は同6.1%高、東証マザーズ指数は同25.4%高、日経ジャスダック平均は18.7%高となり新興市場の上げが日経平均を大きく上回った。

サイバーステップとリミックスポイントがテンバガーに

17年上期のパフォーマンストップ10リストからはすでに2社のテンバガー銘柄がでている。ランキング上位10位までが4倍を超えた。

【17年上半期値上がり率ランキング(全市場)】 順位/コード/会社名/市場/上昇率

  1. 3810    サイバーステップ/東M/16.3倍
  2. 3825    リミックスポイント/東M/10.8倍
  3. 3185    夢展望/東M/6.9倍
  4. 2351    ASJ/東M/6.3倍
  5. 3667    enish/東1/5.8倍
  6. 4288    アズジェント/JQ/5.7倍
  7. 6541    グレイステクノロジー/東M/4.6倍
  8. 3758    アエリア/JQ/4.6倍
  9. 8105    堀田丸正/東2/4.6倍
  10. 9867    ソレキア/JQ/4.2倍

トップとなったサイバーステップ <3810> は、16年末の株価389円に対し6月末は6350円となり上半期で16.3倍になった。年初来安値は1月10日の373円、高値は6月27日の7980円なので、安値から高値まででは21.4倍のダブルテンバガーだ。PCオンラインゲームの大手でオンラインクレーンゲーム「トレバ」が拡大している。4月9日にトレバの好調から業績の大幅上方修正を行い人気化した。オンラインクレーンゲームでは16年にブランジスタ <6176> がテンバガーになったという連想もあり個人投資家からゲーム株のシンボルとして買いを集めた。

2位のリミックスポイント <3825> は、昨年末の142円から6月末は1540円となり10.8倍になった。年初来安値は1月4日の144円、高値は6月19日の1820円。安値から高値では12.6倍のテンバガーになっている。5月17日時点では247円だったのでわずか1ヶ月で7.4倍の急騰だった。子会社のビットポイントジャパンで仮想通貨ビッドコインの取引所を運営しており、フィンテック関連・仮想通貨関連株として取り上げられる株だった。5〜6月にビットコインなど仮想通貨の価格が急騰してフィンテック関連銘柄が注目を浴びていたところに、リミックスポイントはANA系のLCCのピーチ・アビエーションや大手コンビニとビットコイン決済を始めると言ったニュースを開示したことを好感して急騰した。

「マザーズ市場」強し 上半期トップ10のうち5銘柄ランクイン

上半期のトップ10にはいった銘柄は市場毎でみるとマザーズが5銘柄、ジャスダックが3銘柄、東証1部が1銘柄、東証2部が1銘柄だった。相変わらず新興市場が上昇率上位ランキングの常連だ。テンバガーの条件として、上場後の期間が短いこと、時価総額が小さいこと、急成長なこと、社長が若いことなどの条件が上げられることが多い。それを満たす銘柄には新興市場が多い。新興市場の企業には、創業者の経営方針やヒット商品、M&Aなどで、業績が急成長期し一変する可能性がある。一方で、機関投資家や証券会社のアナリストがカバーしておらず評価が定まっていないため、株価が大きく動くとこがあり得る。需給面でも時価総額が小さい新興市場の銘柄は浮動株が少なく、人気化すれば高騰しやすい。

ただ、新興市場ならすべてが上がるというわけではない。ボラティリティが高いので、テンバガーが存在するならば、逆テンバガーもまた存在する。銘柄の選択は慎重にやりたい。

上半期の主役はRIZAPグループ、ゲーム、黒字化

ランキング3位の夢展望は、15年3月にRIZAP <2928> 傘下入りした女性向けのアパレルのネット通販会社。RIZAPはM&Aを積極化し拡大政策とりはじめた。特にアパレルのECに注力していくようだ。夢展望はグループのEC化の中心企業として、RIZAPと業務委託契約を締結した。8位のアパレルの堀田丸正 <8105> も第3社割当をRIZAPが受けグループ入りし人気化している。トップ10には入らなかったが15位のマルコ <9980> や18位のジーンズメイト <7448> も同グループ企業として株価が大きく上げている。

アズジェント <4288> はサイバーセキュリティ関連銘柄だ。欧州やロシアなどで大規模なサイバー攻撃が起きたこと、20年東京オリンピックを控えてセキュリティ投資が増えそうなこと、IoT、クラウド、AI、コネクテッドカーなどのIT産業革命ではサイバーセキュリティが欠かせないことから継続して買われている。

グレイステクノロジー <6541> は16年12月にマザーズ史上にIPOしたばかりの直近IPO銘柄。直近IPO銘柄にも大出世する銘柄が多い。同社は、産業機器のマニュアルを電子化してその産機にマニュアルを管理させるといった面白いビジネスモデルを採用している。まだ売上10億円程度の会社だが、高成長、高収益でユニークなモデルであり株価上昇ランキング入りした。

ゲーム関連銘柄では、サイバーステップ <3810> 以外にもenish <3667> やアエリア <3758> やASJ <2351> もランクイン。アエリアは業績の上方修正、新ゲームやM&Aなどの開示などで人気化した。ASJは新IT系技術の開示が相次いで人気化したが、ゲーム関連、フィンテック関連でもある。enishは乙女ゲーム関連銘柄として時価総額の小ささから注目され、欅坂46の公式ゲームアプリである「欅のキセキ」をリリースしたことで一気に人気化した。

上期ランクインした銘柄のキーワードとして「業績の黒字化」もポイントに上げられる。サイバーステップ <3810> は17年5月期にそれまでの3期連続の最終益赤字から黒転。アズジェント <4288> も17年3月期にそれまでの2期連続赤字から黒転した。リミックスポイントは17年3月期の赤字から今期は黒字予想。夢展望は4期連続赤字から18年3月期は黒字予想。ASJ <2351> も前期の赤字から今期は黒字予想。アエリアも過去4期連続赤字から今期黒転予想だ。 enish <3667> も会社予想はないが過去2期連続赤字。赤字企業は株価が低位に放置されていることが多く、黒字化して材料がでれば大きく上昇する可能性がある。

下期も新興市場でテーマ性があり好業績もしくは黒字化しそうな企業には注目しておきたい。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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