仮想通貨取引プラットフォーム・スタートアップのレッジャーXが、米商品先物取引委員会(CFTC)から、仮想通貨のデリバティブ取引および決済機関としての承認を受けたと 発表した。

9月から10月にかけて対ドルのビットコイン・オプションを1カ月から6カ月物で提供する予定であるほか、将来的にはイーサリアムなどほかの仮想通貨のデリバティブも検討しているという。

レッジャーX CEO「仮想通貨市場にとって重要なマイルストーン」

レッジャーXは以前からビットコイン・オプション取引を扱っていたが、CFTCに承認を受けたことで 、完全担保付きビットコイン・オプションを取り扱う初めての米国公認取引所となる。

7月初旬にはスワップ執行ファシリティ(SEF)としての登録を済ませていたことも、CFTCの発表か ら明らかになっている。

ブルームバーグの報道 によると、レッジャーXのポール・チョウCEOはCFTCという政府機関が仮想通貨取引を正式に認めた快挙を、「仮想通貨市場にとって重要なマイルストーン(発展の目安)である」と発言。「新たなマーケットを規制する適切な手法としての手本になる」ことを期待している。

ビットコインのオプションから始め、数カ月かけて規模を拡大する意向だ。「分散投資目的で新たな資産クラスへのエクスポージャーを求める投資家、仮想通貨の値上がりに賭けたい投資家、ヘッジ目的の投資家」をターゲット層としている。

ゴールドマンなどの頭脳集団がマネジメントするレッジャーX

2014年に設立されたレッジャーXは、スタートアップながら一流の金融やITの専門家がマネジメント・チームにずらりと名を連ねている 。

ニューヨーク・マーカンタイル取引所でCEOを、CFTCで会長を務めたジム・ニューサム氏、TDアメリトレードの元CEOトム・ルイ氏のほか、ゴールドマン・サックスやマサチューセッツ工科大学などで経験と知識を積んだ強力なメンバーで構成されている。

こうした面々が変動の激しさで知られる仮想通貨を、金融市場の主流に押し上げようと働きかけている点が興味深い。かつての「ブロックチェーン技術は発展するが、仮想通貨は消える」という説に逆らい、仮想通貨産業が大きく変化し始めたことは間違いなさそうだ。

現時点では認証を受けていないオプション取引プラットフォームとして、ビットコイン・マーカンタイル取引所( BitMEX)などが挙げられるが、レッジャーXの動きに倣い、今後政府機関による正式認定を狙う例が増えるのではないかと予想される。

8月1日の「フラッグ・デー」を目前に控え、まだまだ目が離せないビットコインだが、仮想通貨市場はますます盛り上がっていくだろう。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

【編集部のオススメ FinTech online記事】
金融業界のビジネスパーソンはFinTechの進行に危機感を持たなければならない
最新の株価指数「FinTech指数」とは?
ロボアドサービスを公開したウェルスナビ「より使いやすい見た目や操作感を……」
CEATEC開催 MUFGが初出展、AIを活用したサービスを展示
「FinTech化が進む金融業界で活躍できる人材とは?」