ラスベガス・サンズのマカオ・シンガポールでの実績
ラスベガス・サンズはベネチアン・マカオやシンガポールのマリーナ・ベイ・サンズを立ち上げました。マカオのカジノは、今やラスベガスを大幅に上回る市場規模となっています。ラスベガス・サンズの売り上げ構成比もマカオ59%、シンガポール24%、アメリカ17%となっています。マカオに初進出した際業績が急拡大し、ラスベガス・サンズの株価は2007年10月に過去最高値の148ドル78セントまで値上がりしました。その後の金融危機でわずか1ドル38セントまで大暴落してしまいますが、マカオの市場の回復と、シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズの成功で業績も回復し、株価も2014年8月現在68ドル前後を推移しております。
近年の業績としては、ラスベガス・サンズは2012年4月、マカオで同社4つ目のカジノ施設となる巨大リゾート施設「サンズ・コタイ・セントラル(金沙城中心)」を開業しました。施設の開発には、約44億ドル(約3600億円)の資金がかけられたということです。ヒルトンホテルの最高級ブランド「コンラッド」、「ホリデー・イン」、「シェラトン」の3つのホテル企業が入り、それぞれ世界最大規模を誇ります。宿泊施設以外にも、レストラン、ショッピングモール、専用の劇場も備える総合レジャー施設です。超大型カジノ施設の開発実績は申し分のないもので、競合他社より優位に立つ強みといえます。
今後のカジノ推進法案の行く末は?
ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、オリンピック開催地決定が後押しとなり、日本は2020年夏の東京五輪までに最低1ヶ所のカジノリゾートを開設する狙いだと報じています。安倍首相も6月、首相公邸で開いた記者会見で「次の会期中に国会でカジノ合法化法案を通過させたい」と表明しています。そして超党派の国会議員により提出されていた「カジノ推進法案」が、先の国会の会期ギリギリで審議入りしています。カジノ合法化が進めば、7.7兆円とも言われる経済効果が期待できそうです。2010年にカジノが設置されたシンガポールの利益は、1兆円に届くとさえ言われています。根強く反対論も残りますが、巨額の赤字国債に頼る日本経済の建て直し手段としては、カジノ誘致は非常に魅力的なものといえます。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)も、カジノリゾート複合施設の運営に参入する方針を表明しましたが、日本経済に大きく影響を及ぼしそうなカジノ推進法案の行く末は、ますます海外からも熱い視線を集めそうです。
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