最近の家は、これからの地球環境の為にも省エネや地震対策など様々な工夫がされてきています。その中に、東京証券取引所のマザーズ市場に上場しておりエコ対策に取り組んでいる企業の一つに日本アクアという企業があります。去年の11月に上場したばかりの会社で、この間は新高値4,830円をつけており注目の企業といえそうです。
日本アクアの会社概要
日本アクアは、水の力で発泡する断熱材を利用した「アクアフォーム」の施工、販売、住宅省エネルギー関連部材の開発・製造・販売を手掛けている会社です。「アクアフォーム」とは硬質ウレタンフォームの特性を活かして、断熱材を水の力で発泡して吹付けて施工します。小さな泡の集合体で、均一なプラスチック発泡体なのですが、この中に熱を伝えにくい空気やガスを封じ込めることで、断熱性や高い気密性、従来のように劣化することがない素材といわれています。また、断熱材を施工する際に、直接断熱材を吹き付けていくので、従来のように建物に合わせてカットする時に隙間を開ける心配もなく細かい所まで綺麗に仕上げる事ができる製品です。
日本アクアは、注文住宅を手掛ける桧家ホールディングスのグループ会社の一つで、断熱材事業の会社として桧家ホールディングスの傘下にいます。平成21年に連結子会社となっています。桧家グループは、昭和63年東日本ニューハウスを設立し、不動産から住宅関連事業を行うグループ会社になり、2013年12月の売上高は610億6,200万円を売り上げている大企業です。
事業内容から見る今後の業績の行方
断熱素材の「アクアフォーム」に特化して、開発、製造、販売を行っていますが、ここ最近の異常気象、地球温暖化、エネルギーの供給不足懸念等、さまざまな環境問題に対応すべく、断熱材だけでなくエコ住宅という事で平成24年12月頃から換気システム、太陽光発電、太陽熱利用システムなどの発電システム等についても販売を取り扱い始め、断熱材に特化だけでなく、総合的なエコ住宅システムの提案や販売も行っているようです。
前期決算結果と来期予想の内容
前年の決算結果は、売上高約98億2,500万円(前年同期比51.4%)、当期純利益は5億1,200万ほど(前年同期比40.3%)で増収増益となりました。発行済株数、資産なども順調に増大させています。去年は、東京オリンピックの開催決定や、市場の株価上昇などの景気回復に向けた期待の動きが見られたのが功を奏し、さらに消費税増税による駆け込み需要等での住宅取得の動きも加速した動きが見られた事から、断熱材需要の高まりを見込み、それに伴う営業店を増大させて需要の対応に取り組んできたことが結果増益をもたらしたようです。
来期はさらに、需要に対応するため、マーケットを拡大させて、全国展開、また建築市場でも主流の木造建築からマンションへの受注の拡大も行っていく動きもみられています。さらに、拡大をすすめる一方で、断熱材の原料であるウレタンは、石油の価格に左右される為、倉庫を拡充して安定した供給ができる体制や、複数購買などをするように体制を整えていく事で原料によるコストを抑えるようにしているようです。マーケットシェアの拡大とコスト削減で来期も増収増益となる見込みです。