マンチェスター・シティのオーナー

マンチェスターC(以下、マンC)は、イングランド・マンチェスターに本拠地を置くサッカークラブで、世界規模、全国区のマンチェスター・ユナイテッドに対し「真のマンチェスター市民のクラブ」と言われています。2007年7月6日、クラブの公式サイトで前イングランド代表監督のスヴェン・ゴラン・エリクソンの監督就任とタイ元首相のタクシン・チナワットの会長就任が発表されました。

しかし、タクシン・チナワット元首相の妻のポジャマン・チナワット氏が2008年7月31日に脱税と偽証で禁固3年の実刑判決を受けたことで、同元首相はタイで巨額の資産(700億バーツ)が凍結され、政界復帰もほぼ不可能となったため、タイ国外脱出後の資金確保を目的に、マンCを売り払いました。2008年9月1日、タクシン・チナワット会長からオーナー権を獲得したのが、UAEの投資グループであるADUG(アブダビ・ユナイテッド・グループ)です。

ADUGとそのオーナー

ADUGは、産油国として知られるアラブ首長国連邦(UAE)アブダビの投資会社で、アブダビのロイヤルファミリーであるマンスール・ビン・ザイド・ナハヤンUAE副首相がオーナーです。オーナーの保有資産額は100兆円以上だと言われています。ちなみに、チェルシーのオーナー、アブラモビッチ氏の純資産が2兆円と言われていますので、ADUGは規模が2桁も大きい、とてつもない資金力を持っています。

オーナーはマンスール・ビン・ザイド・ナハヤンUAE副首相なのですが、チェアマン(会長)は、カルドゥーン・アル・ムバラク氏が務めています。また、ADUGの代表者として、この買収に大きく関わったのが、スライマン・アルファヒム氏です。アルファヒム氏は、米国・ワシントンのアメリカン大学で、不動産学で博士号、経営学でMBAを取得。不動産会社の最高責任者で、ADUGの設立に関わった人物です。