米国の著名実業家マーク・キューバン氏が、新たな仮想通貨ベンチャーキャピタル(VC)ファンドに投資する。2000万ドルの資金調達を目標としている。

このVCファンドは「初期段階のスタートアップのICO準備資金を調達する」という、ICOの流行から生まれた需要を満たすことを目的としており、ほかにもJava Scriptのプログラミング言語を生みだしたブレンダン・アイク氏なども支援している。

コインベースの元事業開発マネージャーが立ち上げた「1confirmation」

キューバン氏は1983年にITコンサルティング企業マイクロ・ソリューションを設立後、世界初の大手ネットプロバイダーとなったコンピュサーブ の売却、映画制作から映画館まで複数の子会社を所有する2929エンターテイメント など、様々な事業を精力的に展開してきた生粋の「セルフメイド・ビリオネア(一代で何十億ドルもの資産を築いた実業家)」だ。

そんなキューバン氏が次のビジネスチャンスとして選んだのが、仮想通貨である。米国証券取引委員会(SEC)が公開している申請書 によると、「1confirmation」という投資ファンドの設立者は、コインベースの元事業開発部門マネージャー、ニック・トーマス氏 だ。

キューバン氏以外にも、Java Scriptの生みの親であるブレンダン・アイク氏や、ブロックチェーン・ベースのクラウドストレージ「Sia」を開発中のデヴィッド・ヴォリック氏など、デジタル領域の専門家が参加している。

9月には自身が投資するeスポーツギャンブルもICOトークン発行

1confirmationは加熱中のICO(新規仮想通貨公開)に直接投資することをあえて避け、ICOを目指している初期段階のスタートアップに、10万~50万ドルを出資するという形で支援する(ブルームバーグより )。

将来的にICOが実現した際には、トークンの割引など何らかの優遇措置を期待しているようだ。

6月にはTwitter でビットコインバブルに懐疑的な見解を示していたキューバン氏だが、新たなVCファンドへの投資に関しては、「携わりながら学習して行ける興味深いチャンス」と歓迎している。

また15年から自身のポートフォリオに加えているeスポーツギャンブル・スタートアップUnikrnが、9月にICOで「UNIKOINGOLD」というトークン販売 を開始する(フォーブス誌より )。こちらにも投資する意欲を見せている。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

( FinTech online編集部

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