アクセンチュアがカナダのFinTechコンサルティング企業ヴェラックス・ソリューションズの買収を発表した。カナダにおけるバンキング・テクノロジー事業の強化に向けた動きだ。
同社は優秀な企業の買収に積極的に乗り出しており、デジタル関連知識や経験だけではなく、コンサルティング能力や分析能力、創造性といった、多様な体制構造への変革を目指している。
カナダでの「金融サービス能力強化」が狙い
2003年にトロントで設立されたヴェラックスは、大手銀行を含む多数の金融機関に、IT戦略やエンタープライズ・アーキテクチャ(EA/組織の最適化を図り、効率性の高い組織運営を目的とする手法)・コンサルティング、プロジェクトおよびプログラム管理、金融リスクおよびコンプライアンス・ソリューションなどを提供してきた。
幅広い領域にわたるITコンサルティングを専門としており、ウェルス・マネージメントから仲買、ミューチュアルファンド、モバイルおよびオンラインバンキング、リテールおよび商業銀行業務までを手掛けている。
アクセンチュアはヴェラックスが「熟練した技術的専門知識、協力的な文化、信用」で社会から定評を得ている点を挙げ、「カナダにおける金融サービス能力の強化に貢献する」との期待を寄せている。
ビッグデータからデジタル・マーケティングまで分野を拡大
アクセンチュアのデジタル分野に注ぐ情熱には、近年目を見張るものがある。
シカゴや日本でデジタルハブを開設するなど、スタートアップやクリエイター、研究者の支援に力を入れているほか、自社のテクノロジー分野の拡大に向け、優秀な企業の買収に本腰を入れている。
17年だけでも、米国のビッグデータおよび調査分析企業サーチ・テクノロジー 、デジタル・オプティマイゼーション(最適化)企業クリアヘッド 、マーケティング・アンド・セールス・コンサルティング企業ブランド・ラーニング などを、次々と買収。
16年にはデジタル・マーケティング企業IMJコーポレーションの株式の過半数を取得 し、子会社化している。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)
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