ソフトバンクと同社ビジョン・ファンドが、共用オフィス賃貸の米ベンチャー企業WeWork(ウィーワーク)に新たに30億ドル、累積総額44億ドルを出資した。日本、中国、東南アジアなど海外事業拡大が主たる目標だという。

オフィスを持たず、賃貸でオフィスビルを共有するWeWorkのような事業は、米国では10年前ごろから、日本でもこの数年、画期的な事業として注目されている。Weworkは未上場だが、企業価値はこの2年半で4倍の2兆円にまで膨れあがったユニコーン企業としてとして注目されている。ソフトバンクが力を入れて出資するWeWorkとはどのような会社なのだろうか。

受けている理由は「設備がいい」ではない

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(写真=StockStudio/Shutterstock.com)

ソフトバンクからの最新の出資後に企業評価額200億ドル程度に高まったWeWorkは、世界で最も評価の高い新興テクノロジー企業の一角を担うという(ブルームバーグ)。

ニューヨークを拠点に、全国の起業家に2010年からオフィススペースを会員制でレンタルしているスタートアップ。5年で調達した資金は3億5500万ドル。その時点で、全世界でメンバー数は1万5000人。同社の企業価値は、破格の50億ドル(同約6064億円)と評価された(ウォール・ストリート・ジャーナル)。

この事業が受けているのは、完備した設備がニーズを満たしているからだけでなく、提供・創出しているコミュニティが大きい。メンバー限定のビジネスネットワーク「WeWork Commons」がそれだ。起業家らが集まり、一緒に働く仲間や取引先を見つけることができるほか、ワークスペースを共有する者同士が共に成長する、コワーキングスペースならではのつながりを築くことができる。

2018年末までに都内に10-20カ所、コワーキングスペース開設へ