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生命保険事業を強化するオリックス

2014年6月末の株主総会の後、オリックスグループの最高経営責任者、宮内義彦氏が同役職から引退しました(ただしプロ野球オリックス・バッファローズのオーナーは続けます)が、オリックスグループが新しく創立する「シニアチェアマン」と言う役職に就くため、名目上は最前線から退出しますが、一説には(恰も読売グループの渡辺恒夫氏の如く)最高顧問的地位を持つと言われます。

本来、宮内義彦会長が続けられる限りトップの働きをすることになっていましたが、亡くなるぎりぎりまで続けるのは無責任と思って、今回の決断に至った様です。三重県津市のゴルフ場の跡地で51メガワットの大規模な太陽光発電所を造る等、オリックスグループでは色々な事業を行っていますが、業績的に見ると外国関係の分野と国内生命保険分野が安定した実績を上げている様です。オリックスグループでは今後も以上の分野を重視する方針ですが、今回は生命保険分野に特化して説明します。


オリックス生命保険の新株

2014年6月、オリックス生命保険が約230億円もの新株を発行するのを発表しました。具体的な株数は約46万株(約28.3%増加)に及び、増資分を資本金と資本準備金の2つに約115億円ずつ均等に割り当て、その増資金額を全てオリックス親会社が引き受ける方針です。増資する目的は米国の「ハートフォード生命保険」を子会社化する目的であって、増資により生じた金額を基にして、ハートフォード生命保険の全株式を買収する計画を立てています。


終身保険「ライズ」

昨年2013年8月、オリックス生命が新しい生命保険「ライズ」を販売しました。同商品は保障が一生涯続く上、慢性の病気を持つ人が加入しやすい様に引き受け基準を緩和しています。更新がなく、加齢に伴い月々の支払い金額が変わらず、その上、死亡・後遺障害の保障が一生涯続きます。加入条件が緩いため、中高年になってから加入しやすく、必要な特約を付けることにより、ガン、急性心筋梗塞、脳卒中を患った時、月々の支払いが免除されます。

要するに、確実に死亡保障が受けられるため、貯蓄性が強く、死後に必要な資金を準備したり、老後資金を形成したりするのに向く様です。一生涯死亡保障が続く点、保険料が低い点が同商品のメリットですが、その反面、途中で解約する時の払戻金が少ない点に注意が必要です。