「最も裕福な王族ランキング」で、2016年に故人となったタイのラーマ9世(プーミポンの名称で知られる)が1位であることが分かった。その資産は300億ドルと、エリザベス英国女王の5倍以上だ。
ランキングは世界中のお金持ちの情報を発信する「リッチエスト・ライフスタイル」が、2017年に発表したもの。王族=裕福なイメージが強いが、資産にはかなりの差がある。
「最も裕福な王族15人」
15位 ムスワティ3世(スワジランド国王)1億ドル
14位 ベアトリクス・ウィルヘルミナ・アルムハルト・ファン・オラニエ=ナッサウ(オランダ前女王)2億ドル
13位 サバーハ・アル=アフマド・アル=ジャービル・アッ=サバーハ(クウェート首相) 4億ドル
12位 エリザベス2世(英国女王)5.3億ドル
11位 カーブース・ビン・サイード(オマーン国王)7億ドル
10位 アーガー・ハーン4世(イスラム教ニザール派のイマーム)8億ドル
9位 アルベール2世(モナコ大公)10億ドル
8位 ハマド・ビン・ハリーファ・アール=サーニー(カタール前首相)24億ドル
7位 ハンス・アダム2世(リヒテンシュタイン元首)35億ドル
6位 ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム(ドバイ首長国首長)45億ドル
5位 ムハンマド6世(モロッコ国王) 57億ドル
4位 ハリーファ・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン(アブダビ首長国首長)150億ドル
3位 故アブドゥッラー・ビン・アブドゥルアズィーズ(サウジアラビア国王)180億ドル
2位 ハサナル・ボルキア(ブルネイ国王)200億ドル
1位 故ラーマ9世(タイ)300億ドル
王族でも資産、信念、自国への貢献度に大きな差がある?
首位は即位64年という歴代君主として世界最長記録を更新したラーマ9世。他界翌年に英国の女王、エリザベス2世が即位65年目を迎え、記録が破られることとなった。
ラーマ9世は財産の大半を不動産や公共施設への投資で築いたとされており、単に代々の財産を受け継いだだけの王族とは物の見方や進め方がかなり違ったようだ。政治的、経済的に精通しており、自国の経済発展に大いなる影響を与えた。
トップ15には石油資源国の王族が数多くランクインしている。2位のボルキア国王は知る人ぞ知る高級車収集家で、ロールスロイス600台、フェラーリ450台など、総額7.8億ドル相当の高級車を所有しているそうだ。
3位の故アブドゥルアズィーズ国王は1995年に没しているが、国の再建に向け、失業者手当や住宅プロジェクトなどに1300億ドルもの投資を行った愛国家だった。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)
【お詫びと訂正】5位のムハンマド6世(モロッコ)に関する記述に誤りがありました。該当箇所を訂正して読者、関係者の皆様にお詫びいたします。