ドトール・日レスホールディングス <3087> 傘下のドトールコーヒーは非正規従業員を対象とした退職金制度を9月より導入した。飲食業界は人手不足の影響を大きく受けており、非正規従業員の待遇改善を図る事で労働力の確保につなげたい考えだ。
非正規社員でも退職金 金利面、税制面でのメリットも
同社が導入した非正規従業員向けの退職金制度は、社会保険に加入済みであり、3ヵ月平均で週30時間以上の非正規従業員が対象となる。会社が毎月100円を掛け金として積み立てる他、従業員も月給の10%以内で1000円から2万円までの範囲で任意に積み立てを行う事が出来る。オリックス <8591> の提供する確定給付型企業年金基金を活用しており、年間の利率は0.3%と預金金利よりも高くなる。毎月8000円を10年間積み立てると、約105万円の退職金を受け取れる計算となる。また、積立額は給与支給額から除かれる為、所得税や社会保険料の支払額が減る事にもつながる他、退職金として受け取った際も一定額までは非課税となる。
同社の非正規従業員は7000人程度であるが、当初の対象者は約330人になるという。直営店や工場、本社等に勤務する従業員を対象とし、今後はフランチャイズ店のオーナーにも利用を呼びかけていく。
非正規従業員を対象とした退職金制度を導入するケースは珍しい。人手不足が叫ばれる中、非正規従業員の待遇改善で労働力の確保を図る。