12月18~22日の東京株式市場は高値圏での揉み合いとなった。週初は米税制改革法案の成立が確実視されたこともあり、日経平均株価は前週末終値から348円上昇して始まった。しかし、その後は材料出尽くし感が広がって上値の重い展開に。クリスマス休暇で海外勢の動きが鈍かったこともあり、上げ一服の様相を呈していた。

ジャスダック市場の「高PER」ランキング

かんなん丸,株価
(画像=Thinkstock/GettyImages)

それでは今回は、ジャスダック市場の「高PER(株価収益率)」ランキングをみていこう。

(1)かんなん丸 <7585> (連)1219.11倍
(2)フォーサイド <2330> (連)860.53倍
(3)日本アンテナ <6930> (連)847.50倍
(4)ジー・テイスト <2694> (連)830.00倍
(5)コックス <9876> (連)766.67倍
(6)日本ロジテム <9060> (連)616.21倍
(7)AKIBAホールディングス <6840> (連)564.81倍
(8)多摩川ホールディングス <6838> (連)533.33倍
(9)サムシングホールディングス <1408> (連)410.27倍
(10)ネクストウェア <4814> (連)386.75倍
※銘柄、証券コード、予想PERの順。(連)は連結、(単)は単体。データはヤフーファイナンスに基づく。

PERは、現在の株価がEPS(1株当たり純利益)の何年分に相当するかを表している。ジャスダック全銘柄の予想PERの平均は20.78倍。これに対し、ランキングで最も低い10位のネクストウェアで386.75倍、1位のかんなん丸は1219.11倍と平均を大きく上回っている。

先週紹介したマザーズと同様、新興市場は「将来の成長」を見越した個人投資家の買いが旺盛であるが、中にはファンダメンタルズに対して過剰に買われている銘柄もある点に注意が必要だろう。

かんなん丸、「若者のお酒離れ」などで厳しい経営環境続く

今回は上記ランキングから、かんなん丸、フォーサイド、日本アンテナを取り上げる。

かんなん丸は埼玉県に本社を置く外食産業。大衆割烹の「庄や」をはじめ「日本海庄や」「やるき茶屋」「KUSHI949KYU」「うたうんだ村」などを運営する。

かんなん丸の株価は、2017年初頭から上昇傾向が続いている。決算期の6月に急落する局面もあったが一時的な下落にとどまっており、その後は再び回復する傾向にある。

前2017年6月期は、コスト削減により連結営業損益は黒字を確保したが、一方で店舗の減損処理や店舗閉鎖損失などがかさみ、純損益は6500万円の赤字に転落した。2018年6月期の連結業績予想は、売上高が減収となる見込み。純利益は黒字予想を掲げるものの金額は600万円にとどまり、前期の穴を埋めるほどの利益は見込めないようだ。この純利益予想の低さが、一連の株価上昇と相まって高PERの一因となっている。

8月14日、同社がリリースしたIR資料によると「総合居酒屋業態においては、若者のお酒離れや消費嗜好の多様化、来店客の減少に伴う売上高前年割れの基調が改善されず、経営を取り巻く環境は厳しい」(2017年8月14日「特別損失の計上、繰延税金資産の取崩し及び平成29年6月期の業績予想と実績値との差異に関するお知らせ」)のが実情のようだ。

フォーサイド、中国向け課金決済サービスを好感

フォーサイドは携帯コンテンツ、電子書籍などを手掛けるIT企業。2015年4月に社名をSmartEbook.comから変更した。

今月13日、子会社のフォーサイドフィナンシャルサービスが中国のチャイナ・ペイメント・ゲートウェイ社と提携し、中国国内向けのウィーチャットメイメント課金決済サービスを開始すると発表、株式市場で好感された。

フォーサイドは今年6月にも、中国でアリペイ課金決済サービスを提供していることを手掛かりに株価が急伸した経緯がある。中国市場での決済に絡んだ材料が出やすい銘柄として認知されつつあるようだ。

フォーサイドは2015年12月期まで連結営業赤字、最終赤字の状態が続いていた。2016年12月期は基準抵触で上場猶予期間に入り、背水の陣となる中で黒字化を達成。2017年12月期はアミューズメント施設向けに景品を制作するブレイク社を吸収し売上高が前期比3倍増となる見通しであるが、純利益は減益を予想している。

日本アンテナ、通期で黒字転換目指すも9月中間は赤字に

日本アンテナは通信用、放送用アンテナの製造販売大手。1953年設立の日本を代表するテレビアンテナメーカーの一つだ。

2017年9月中間は純損益が2億2400万円の赤字となった。家庭用テレビ関連機器が低調なほか、「放送関連機器において、競争の激化による想定以上の利益率の悪化が見られた」(決算短針)ことが利益を圧迫した。同社は2017年3月期に最終赤字を計上し、2018年3月期の黒字転換を目指しているが、状況は予想以上に厳しいようだ。(ZUU online 編集部)