ロイヤルHD<8179>が展開している天丼の「てんや」は、2018年1月11日からこれまで税込み500円だった「天丼」を、40円値上げの540円とするなど、一部メニューの価格を改定した。このところ一般消費者に近い商品の値上げが続いていることから、ここでは2月以降の数か月間に予定されている値上げ案件を整理しよう。

パックごはんなど JT、東洋水産

値上げ,食卓
(画像=gontabunta/Shutterstock.com ※画像はイメージです)

JT<2914>グループのテーブルマークは、パックごはん30商品ついて、2月1日納品分から約1~17%値上げすると発表した。また3月1日納品分からは、冷凍うどん12商品が約3~16%、冷凍お好み焼き6商品が約6~7%、冷凍たこ焼き4商品が約7~10%、それぞれ値上げされるという。

また、東洋水産<2875>も、「マルちゃん 包装米飯」商品の希望小売価格を改定する。主原料の米の価格が3年連続で上昇していることや、物流費・包材費・人件費の高騰が値上げの要因だ。価格改定の内容は、無菌米飯シリーズが1パックあたり15円、レトルト米飯シリーズが10円というもの。例えば「マルちゃん あったかごはん」の税引き希望小売価格は、現行の150円から165円になる。

燃油サーチャージ JAL、ANA

日本航空<9201>およびANAグループの全日本空輸とエアジャパンは、国際線の利用客が航空券購入時に支払う燃油特別付加運賃、いわゆる「燃油サーチャージ」について、2018年2月分から値上げすると発表した。航空機の燃料市況の上昇などが要因だという。この結果、北米、欧州路線は片道が3500円高い1万500円に、インド、ハワイは2000円高い6000円に、といった具合に全般的な値上がりとなる。

ゆうパックの基本運賃 日本郵政

日本郵政<6178>グループの日本郵便は、3月1日から宅配便「ゆうパック」の基本運賃を平均12%値上げするという。沖縄を除く値上げ幅は110~230円で、荷物のサイズが大きくなるほど値上げ幅も大きくなっている。同時に10個以上の荷物を出す場合に適用されていた割引が廃止されるほか、重さ25~30キログラムの荷物については、基本運賃に500円が新たに加算される。また、「スキーゆうパック」などのサービスについては、上限サイズも見直されることになる。

業務用ビールなど アサヒ、各社種類メーカー

アサヒビールHD<2502>傘下のアサヒビールは、業務用を中心としてビール系飲料を3月1日の出荷分から値上げするという。酒販店などの店頭では、大瓶の場合約10%前後の値上がりになる見通しだ。競合他社も次々と追随を発表しており、飲食店のビールなどの価格も影響を受けることが必至となっている。なお、10年ぶりとなる今回の値上げの対象は瓶やたる詰めの商品のみで、缶は含まれていない。

また同社を含めた酒類メーカーは、輸入ワインや国産ワインの一部についても4月からの値上げを予定している。値上げ幅は3~6%程度になる見込みだ。

アイス 森永乳業、赤城乳業

森永乳業<2264>は、3月1日出荷分から家庭用アイスクリームの一部商品を値上げする。対象となるのは「ピノ チョコアソート」や「PARM(パルム) アーモンド&チョコレート」などの4商品で、いずれも現行の税引きの価格500円が550円に引き上げられる。原材料や包装資材、物流費などの高騰が要因になっているというが、アイス業界では2016年に「ガリガリ君」で知られる埼玉県の赤城乳業が値上げに踏み切るなど、コスト高騰を価格に転嫁する動きが広がっている。

ポンジュース えひめ飲料

JA全農の100%子会社である松山市のえひめ飲料は、3月から「ポンジュース」などの12製品を値上げする。ポンジュースの値上げは2007年2月以来約11年ぶりのことになる。国産ミカンの生産が減少していることや、物流費の高騰などが要因で、値上げ幅は商品によって異なるものの、1リットル入りペットボトルのポンジュースの税込み希望小売価格が346円から410円になるなど、20%程度が予定されているという。

納豆 タカノフーズ

茨城県のタカノフーズは、主力製品の「おかめ納豆」5品目について、4月1日以降出荷価格を27年ぶりに10%から20%値上げする。主原料の大豆価格が高止まりしているのに加え、遺伝子組み換えでない大豆を確保するのにもコストがかさんだことや、人件費の高騰などが要因だという。対象となる商品は「極小粒ミニ」「まろやか旨味(うまあじ)ミニ」などの5商品。さらに5月からは「旨味かつおミニ」「旨味ひきわりミニ」などの5商品がこれに加わる。

「極小一番」「おろしだれ納豆」などで知られるあづま食品も、5月以降に10~20%の値上げを予定しているなど、手軽な健康食品として近年市場規模が拡大している納豆の今後の動向が注目されるところだ。

たばこ JT

JTは「わかば」や「エコー」等の6銘柄について、財務大臣に対し4月1日から小売定価を改定する旨の認可申請を申請した。2015年の税制改正でたばこ税法等が改正され、旧3級品の紙巻たばこを対象とした特例税率が2016年4月に廃止となり、以降2019年4月1日までの間に段階的に税率が引上げられることが決定していたことを受けたものだ。当該6銘柄については、今後予定されているたばこ税率引上げの都度、段階的に小売定価の改定を行う予定だという。(ZUU online 編集部)