2月も中旬というのにまだまだ寒い日が続いています。株式市場も落ち着きのない相場展開が続いており、非常にやり難い相場となっています。今回の暴落の要因はVIX指数だという見方もできそうですが、「VIXショック」というような名前になるのでしょうか、昨日のような日本の取引時間での急落も特に理由がないとみているだけということにもなりかねませんが、先物の夜間取引があるとは言え米国時間で大きく動かされると見ていないうちに大きく下げているということもあり、米国の動きが影響するときは、夜も眠れないということになりそうです。
米国市場もまだまだ落ち着きはないようですし、為替も落ち着かないのですが、今度は日本市場が特に米国に影響がないということで落ち着いてくれればいいと思います。特にここから景気が悪くなるという懸念があるわけでもなく、足元の好調な企業業績などを見直す動きも出てきてもいいのではないかと思います。好業績銘柄で売られ過ぎているものも見られそうで「バーゲン」という見方をしても良いのかもしれません。
米国株は堅調ですが、円高に振れたということで冴えない展開となりそうです。ただ、夜間取引やシカゴ市場の日経平均先物が堅調となっていることや昨日の相場で売られていたこともあり、底堅さは見られるものと思います。昨日のようなプットオプションに絡むような先物の売りが出ると特に理由のないなかで売られるということになるのでしょうが、オプションが買われ過ぎるということがなければ売り一服となってくるのだと思います。
夜間取引の日経平均先物は21,000円を割り込むという場面もありましたが、米国株が堅調となったことで21,000円水準は何とか割り込まずに済みそうです。為替がさらに円高に振れるということになると「リスク回避」ということで21,000円水準を割り込んで売られるということになるのでしょう。昨日の大きな「包み足」の高値を上回るか安値を下回るかで方向が決まりそうで、堅調な始まりとなって昨日の安値を割りまなければ底入れ感が出てくるのではないかと思います。
本日の投資戦略
少しは落ち着いてくるかと思ったのですが、まだまだ落ち着きのない相場が続いています。昨日の相場でも特に売り急ぐような材料がないなかで米財政赤字問題が取りざたされたり、大統領発言が取り上げられたりということで売り急ぐ動きになりました。プットオプションが買われ過ぎていることも、先物売り、オプション売りという動きにつながり売りが売りを呼ぶということで大きな下げとなるということでしょう。
足元の業績面では割安感もあるのですが為替が円高基調ということでそれなりに不安も出てくるということでしょう。それでも、こういう状況であれば、恐らく日銀の金融緩和が縮小となるという懸念も薄れるのでしょうし、米国の利上げが金利差拡大ということで円高が止まるということになるのでしょう。それでも、そろそろ業績面での割安感などが取りざたされて落ち着いて来ると思われます。
清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・アルゴナビス)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。メールマガジンも配信中。
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。