3月8日に横浜で開かれた「ジャパンインターナショナルボートショー」で、高級車ブランドのレクサスは、ラグジュアリーボートのコンセプトモデル「LEXUS Sport Yacht Concept」を展示した。美しい流線型のボディーと和のテイストもあしらったキャビンを有する。富裕層のシンボルであるラグジュアリーボートのトレンドや、ボートをランナップしたレクサスの戦略についても紹介しよう。

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(画像= Lienka/Shutterstock.com ※写真はイメージです)

活況のラグジュアリーボート市場 ヤマハのモデルは1.4億円

ジャパンインターナショナルボートショーは、3月8日から11日の4日間、パシフィコ横浜(屋内展示)とベイサイドマリーナ(フローティング展示)で開催された。

開催期間中は船体展示だけでなく、免許未取得者を対象とした操船体験や、実際に海上でセーリングプログラムを体験できるなど、趣向を凝らしたイベントも用意され、ライフジャケットの無料点検や小型船舶免許の更新・失効再交付講習など、ボートの普及に向けた地道な施策も行われた。

展示会場では、各社の意欲的なニューモデルがお披露目され、ヤマハ発動機はプレミアムボート「EXULT 」シリーズのフラッグシップモデル「43」を登場させた。全長43フィート、匠の技・選りすぐりの素材が融合したサロンクルーザーの価格は1億4千万円に達する。船体ばかりではない。ホンダは自動車で培ったテクノロジーを活かし、燃費・加速・最高速度に優れた船外機をフィーチャーした。

EXULT 43
EXULT 43(画像=YAMAHA)

これほど各社が力を入れるのは、ラグジュアリーボート市場の成長性に着目しているからだ。ボート市場は、好調な景気に支えられ、特に全長30フィート(10m)以上の大型タイプが伸びている。

レクサスの大胆なデザインと先進性

そんな展示の中でも、レクサスのコンセプトモデルは、流麗なデザインがひときわ目を引いた。自動車で培われた哲学はラグジュアリーボートにも継承され、一体型フォルムと流線形は、単純なデザインの秀逸さだけではなく機能美を感じさせる。

ボート後方から乗船すると、エンジンを2基格納する床下は、なんとガラス張りだ。そこには、レクサスクーペLC500やスポーツタイプRCFに使用されている、2UR-GSE V型8気筒5ℓ自然吸気タイプを船舶用にアレンジしたエンジン(450馬力)が搭載された。甲板は屋根のないオープンデッキタイプ、心地よい風を受けながら、小さくながらも甲高いエンジン音を響かせながら鋭い加速を体感できる。

LEXUS Sport Yacht Concept(画像=LEXUS)
LEXUS Sport Yacht Concept(画像=LEXUS)

少しスピードを落として、キャビンのU字型ソファでくつろぐのも魅力的だ。間接照明とブラックガラスのフローリングであしらわれた室内は和のイメージであしらわれ、豪華ではないが洗練された空間を提供している。「自らを開放できるような隠れ家空間を海の上に提供する」、このクルーザーは豊田章男(レクサス・チーフブランディングオフィサー)が描くコンセプトを見事に実現している。

なぜ高級クルーザーをラインナップしたのか

ラグジュアリーブランドをリードしてきたドイツやイタリアは、100年以上の歴史を誇るブランドも多い。世界中にファンがいるレクサスといえども、ブランドが出来上がって30年ほどであり、お金を積んでも歴史は買えない。

だからこそレクサスは「ライフスタイルブランド」としての価値観を打ち出し、ヨーロッパブランドに対抗しようとしている。車を中心としたライフスタイルトータルで、ブランドイメージを確立しようというのだ。その答えの1つが高級クルーザーにある。

もちろんクルーザーのラインナップだけで、レクサスがラグジュアリーブランドとしての地位を確立できるわけではない。知識と情熱にあふれたスタッフの養成・ブランドストーリー・希少性の高いアイテムの存在など、レクサスが打つべき課題は多い。

とはいえ、高い技術力と洗練されたデザインで多くの富裕層に愛されるレクサス。今回のコンセプトモデルは、全長を60フィートに延ばした実売モデルを設計中だ。2019年(国内は翌2020年)の発売が待ち遠しい。(ZUU online 編集部)