3月12~16日の東京株式市場は揉み合いとなった。週初は米国株の上昇を好感し、日本株も上値を試す場面も見られたが、その後は円高や米国務長官解任などが嫌気され結局戻りも限定的となった。16日の日経平均株価は前週末比207円31銭高の2万1676円51銭で取引を終了。引き続き調整ムードが強く、一進一退の展開となった。

先週15日、東京証券取引所は投資家別売買動向を発表した。それによると海外投資家は3月第1週(5~9日)まで9週連続で売り越していることが明らかとなった。海外投資家に限らず、ひと頃に比べて投資人気が後退していることは否めず、調整が長引く恐れもある。

ランキング1位のPERは1963倍

ピクセルカンパニーズ,株価
(画像=PIXTA)

それでは、今回はジャスダック市場の「高PER(株価収益率)」ランキングを見ていこう。

(1)ジェクシード <3719> 2018年12月 (単)1963.64倍
(2)日本アンテナ <6930> 2018年3月 (連)923.75倍
(3)ジー・テイスト <2694> 2018年3月 (連)850.00倍
(4)日本ロジテム <9060> 2018年3月 (連)643.55倍
(5)ダイヤ通商 <7462> 2018年3月 (単)610.07倍
(6)イナリサーチ <2176> 2018年3月 (連)564.50倍
(7)多摩川ホールディングス <6838> 2018年3月 (連)523.81倍
(8)ネクストウェア <4814> 2018年3月 (連)514.63倍
(9)AKIBAホールディングス <6840> 2018年3月 (連)511.11倍
(10)ピクセルカンパニーズ <2743> 2018年12月 (連)501.56
※銘柄、証券コード、決算期、PERの順。(単)は単体、(連)は連結。

先週は東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均株価ともに上昇した。新興株式市場は円高や政局問題の影響を受けにくいとされているが、東証1部が調整ムードにある中で投資人気が回復に向かうのか注目されるところ。

なお、上記ランキングを業種別でみると、電気機器が3銘柄で最も多く、次いで情報・通信業と小売業が各2銘柄となった。その他は陸運業、サービス業、卸売業が各1銘柄となっている。

ピクセルカンパニーズ、事業選択の途上で業績低迷

今回は上記ランキングからピクセルカンパニーズ、日本ロジテム、ジェクシードを取りあげる。

ピクセルカンパニーズは、1980年代にコンピュータ用のインクリボン、インクジェットカートリッジの販売事業を展開するとともに経営の多角化も進めてきた卸売会社。現在はカジノ向けゲーム機の開発や太陽光発電施設の企画販売を主力としている。

同社は2017年度までにオフィス向け消耗品や化粧品・美容商材の販売事業から撤退。それに代わりカジノ関連などの統合型リゾート、太陽光などの再生可能エネルギー、フィンテックに経営資源を集中する途上にある。

2月14日公表の2017年12月期決算では、営業損益が12億4400万円の赤字(前期は1億7400万円の赤字)、純損益は26億7000万円の赤字(同2億1500万円の赤字)となった。ゲーム機やフィンテックの研究開発費の増加に加え、事業撤退に伴う子会社株式の売却損、スマートタクシーメーターを開発する子会社の事業計画の遅れに伴う減損処理などで純損失が拡大した。

なお、ピクセルカンパニーズは2018年12月期の連結業績について、売上高が57.7%減の47億8500万円、純利益が1000万円の黒字転換を見込んでいる。

日本ロジテム、PBRの割安感が強く底堅い

日本ロジテムは貨物自動車運送業者で、日清製粉グループ本社の関連会社。食品やインテリアなどの輸送を軸とする。

同社は2017年3月期決算で4億6300万円の純利益を計上したが、2018年3月期は700万円の純利益にとどまる見通し。前期に固定資産売却に伴う特別利益を計上しており、その反動が見込まれている。

もっとも、そんな状況にありながらも日本ロジテムの株価は値崩れしておらず、むしろ底堅く推移している。背景にはPBR(株価純資産倍率)が0.41倍と低く保有資産との比較でみると割安であることが考えられる。

ジェクシード、RPA関連株として人気化するが

ジェクシードは、人事や会計など「基幹系情報システム」を導入する企業を支援するコンサルティング会社。

ジェクシード株は、パソコンの作業を自動化する「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の関連銘柄として人気を集め上昇する場面も見られた。同社は2018年12月期の業績について、営業利益400万円、純利益200万円を見込んでいる。足もとで株価が大きく上昇する一方、2018年12月期の予想EPSが14銭と小さいため、PERは1963倍と極端に跳ね上がっている。(ZUU online 編集部)