昨日の海外時間には、NYダウをはじめとして、各国株価が全面安となる中、リスク回避の円買い、ドル買いが強まりました。さらに朝方米鉄鋼、アルミ関税で日本が除外リストになかったことから円が一段高になっています。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

昨日は、トランプ大統領の弁護団の弁護士が辞任をしたことも株売りの材料になりました。またトランプ大統領、中国製品への関税賦課を命じる大統領令に署名したことに対して中国が「われわれに貿易戦争を仕掛けようとする者がいたら、必ず反撃し報復する」と応じたことから、米中貿易戦争の懸念が高まってNYダウが724ドル安になるなど世界的な株安になりました。また東京時間朝方に発表された米鉄鋼アルミ課税のリストで日本が除外されなかったことから円が一段と買われ、ドル円は、トランプ大統領が勝った2016年米大統領選挙投票日以来の水準まで下落しています。米の中国製品への課税措置の詳細が明らかになっていないことから、今後その内容が分かったきた時や、中国側の報復措置などが発表された場合、さらにリスク回避が強まる可能性があります。一方国内では27日に佐川元国税庁長官の国会証人喚問が行われることが決定して、こちらも関連報道や進展が円買いを強める可能性があります。

ドル売りポジションを維持

106.40円のドル売り円買いのポジションを保有中です。損切りラインを割り込んだ3月安値付近の105.30円に引き下げて、利益を確保しながら更なる下落を待ちます。

昨日の海外時間からの流れ

欧州時間序盤、一旦ユーロ買いが強まって、ユーロドルは1.2380台まで、ユーロ円は131.00円台まで上昇しました。しかし、原油相場、各国株価が下落する流れとなると、リスク回避のドル買い円買いの動きとなって、ドル円は105.20円台まで、ユーロ円は129.70円台まで、ユーロドルも1.2300台まで下落しました。

NY時間にはいって、ドル円はもみ合いとなりましたが、ユーロ売りは続き、ユーロドルは1.2280台まで、ユーロ円は129.50円付近まで下落幅を拡大しました。その後「トランプ大統領、中国製品への関税賦課を命じる大統領令に署名」と報じられましたが円が売り戻され、ドル円は105.80円台まで、ユーロ円は130.20円台まで反発しました。

NY時間引けにかけては各国株価と原油相場が再度下落し、米長期金利が低下する中円買いが優勢となって、ドル円は105.20円台まで、ユーロ円は129.40円台まで下落しました。

東京時間朝方「米鉄鋼・アルミ関税、米州主要国や欧州、韓国など除外」と報じられましたが、日本が除外リストに含まれていなかったことから円買いが強まって、ドル円は2016年11月以来の104.60円台まで、ユーロ円も129円割れまで下落しました。

今日の予定

今日の海外時間には米・2月耐久財受注、米・2月新築住宅販売件数の発表があるほか、ボスティック・アトランタ連銀総裁、カシュカリ・米ミネアポリス連銀総裁の講演が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp