3月26~30日の東京株式市場は堅調に推移した。この週は米国市場が底堅く推移したことや、中朝首脳会談で北朝鮮を巡る緊張緩和への期待を手掛かりに買いが優勢となった。30日の日経平均株価は前週末比836円44銭高の2万1454円30銭で取引を終了した。

目先的には米国株や為替をにらみながら方向性を探る展開となりそうだ。新年度入りで内外の機関投資家が新たな動きを見せる可能性も考えられるが、一方で米中貿易摩擦等の波乱要因もくすぶり続けている点には注意が必要だろう。

為替の影響を受けにくい内需型企業がランクイン

東証マザーズ,銘柄
(画像=PIXTA)

それでは、今回は東証マザーズ市場の「3月の値上がり率」ランキングをみていこう。

(1)シルバーライフ <9262> 9360円 +74.95%
(2)アクセルマーク <3624> 1940円 +54.21%
(3)MRT <6034> 2760円 +50.90%
(4)ソネット・メディア・ネットワークス <6185> 3600円 +45.45%
(5)富士山マガジンサービス <3138> 1515円 +41.06%
(6)メディカルネット <3645> 811円 +33.83%
(7)パルマ <3461> 3800円 +31.94%
(8)メドレックス <4586> 1893円 +31.55%
(9)メディアシーク <4824> 1142円 +25.91%
(10)ユナイテッド <2497> 4305円 +25.88%
※銘柄、証券コード、株価(30日終値)、上昇率の順。

上記ランキングを業種別でみると、情報・通信業とサービス業が各3銘柄で並んだ。次いで小売業が2銘柄、不動産業、医薬品が各1銘柄だった。3月は為替の影響を受けにくい内需型の企業がランキングの上位を占める結果となった。

シルバーライフ、高齢者向け配食事業が好調

今回は上記ランキングから、シルバーライフ、アクセルマーク、ソネット・メディア・ネットワークスの3銘柄を取り上げたい。

シルバーライフは高齢者向けの配食サービス会社。和食中心の普通食やカロリー調整食、透析患者向けの低たんぱく食などを配送するフランチャイズ加盟店を展開するほか、高齢者施設向けにも直接販売している。2017年10月に東証マザーズ市場に上場した。

3月12日、シルバーライフは4月末の株主に1対2の株式分割を行うと発表した。同時に2018年1月中間決算も発表し、売上高が前年同期比24.4%増の30億8000万円、営業利益も18.8%増の2億6800万円と好調な内容となった。この影響から3月のシルバーライフ株の上昇率は74.95%に達し、今回のランキングで1位となった。

アクセルマーク、ブロックチェーンゲーム事業を強化

アクセルマークは、スマートフォン用ゲームの開発・配信とインターネット広告を手掛ける会社。

3月14日、アクセルマークは仮想通貨やブロックチェーン技術を使ったオンラインエンターテインメント事業を開始すると発表した。

インターネットでは、ブロックチェーンを活用した分散型アプリ(DApp)が登場し、仮想通貨イーサリアム上で楽しめる猫の育成ゲーム「クリプトキティーズ」が人気を集めている。こうした潮流をとらえ、アクセルマークはDAppの情報メディア「ブロックチェーンゲーム.JP(仮)」の提供やデジタルアイテム取引所の提供などを検討する。

3月28日には、同じモバイルコンテンツ事業者であるKLabとの資本業務提携を発表した。新株発行により約3億5000万円を調達し、新規ゲームの開発制作費用に充てる。

3月のアクセルマーク株の上昇率は54.21%となり、今回のランキングで2位となった。

ソネット・メディア・ネットワークス、AI活用の広告が好調

ソネット・メディア・ネットワークスはインターネット広告会社。AI(人工知能)を活用し、広告主のサイトに訪れたことのあるユーザーに、閲覧履歴に基づき興味関心が高そうな広告を自動的に生成するサービス「Logicadダイナミッククリエイティブ」などが好調だ。増収増益が続き業績が安定していることもあり、新興株式市場で人気の高い銘柄の一つとなっている。

3月13日に同社は3月末の株主を対象に、1対2の株式分割を実施すると発表。短期筋の買いも活発化して株価を後押しした。(ZUU online 編集部)