昨日の海外時間には、米長期金利が反発する中、各国株価も堅調に推移して円売りが優勢となりました。
今後の見通し
前日に米中貿易摩擦懸念が高まってリスク回避的な動きで円買いが強まりましたが、昨日は一転して株価、米長期金利とも反発してリスク回避が後退、円が売り戻されました。ここ数日上抜けできなかった106.40円付近を上回ったことから、3月28日NY市場で付けた107円付近を上抜けできるかが次のポイントとなります。このところのドル円相場は日経平均先物との相関が強くなっていますので、日経平均先物の上昇が続けば107円抜けとなると考えられますが、NY時間に多くの経済指標が発表されますので、その結果を受けたNYダウの動きが日経平均先物に影響を与えて、結果的にドル円相場を左右しそうです。
現状でドル買い円売り
ドル円はポイントの106.40円を上回っていることから、現状の106.50円付近でドル買いのポジションを作ります。損切りラインを近く106.20円に置いて、107円台乗せできるかを見たいと思います。
海外時間からの流れ
欧州時間序盤、黒田日銀総裁が「(出口戦略について)部内ではいろいろな議論はしている」と述べたことから円買いが強まって、ドル円は105.70円台まで、ユーロ円は130.30円台まで下落しましたが、物価目標の実現が遠い現状で具体的な順序などを議論することは「ミスリードになる」としたことから円はすぐに売り戻され、ドル円は106.00円台まで、ユーロ円は130.70円台まで上昇しました。その後特段の材料はありませんでしたが、米長期金利と日経平均先物が堅調に推移する中ドル買いが優勢となって、ドル円は106.30円付近まで上昇し、ユーロドルは1.2280台まで下落しました。
NY時間にはいると、米長期金利が上昇を始めたことから再びドル買いが優勢となって、ドル円は106.50円台まで上昇し、ユーロドルは1.2250台まで下落しました。NY時間午後は、各通貨ペアとも小動きとなりましたが、終盤にNYダウが上昇するとドル円は高値を更新し、105.60円台まで上昇しました。
東京時間にはいって、日経平均が上げ幅を縮めていることから円がやや買い戻されています。
今日の予定
今日の海外時間には英・3月建設業PMI、ユーロ圏・3月消費者物価指数、ユーロ圏・2月失業率、米・3月ADP民間雇用者数、米・3月ISM非製造業景況指数、米・2月耐久財受注、米・2月製造業受注の発表があるほか、ブラード・米セントルイス連銀総裁、メスター・米クリーブランド連銀総裁の講演が予定されています。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp