半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が4~6月の売上高見通しを78億~79億ドルとしたことで米国株市場では半導体株が総崩れとなった。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4%超の下落となった。スマートフォン向け半導体が落ち込む見通しだが、2018年12月期通年の売上高見通しは前期比10%増。従来の「10~15%増」から引き下げたとは言えそれほど大きな下方修正ではない。通年の売り上げまではまだ見通せないということだろう。

マーケット・スナップショット
(画像=Thinkstock/GettyImages)

この流れから今日の東京市場でも半導体関連銘柄が軒並み売られている。東京エレクのような装置メーカーからSUMCO、信越化学のような素材、TDKやアルプスといった電子部品まで大きな下げとなっている。ただし、日経平均は114円安まであったが下げ幅を縮め、一時前日比プラスに転じた。昨日まで5連騰していたことを考えれば、かなり底堅い動きだ。為替が107円台後半まで円安に振れていることも大きな支援材料だろう。昨日の米国市場では10年債利回りが2.9%台に上昇した。ずっと懸念されてきた米債イールドカーブのフラット化にも歯止めがかかり、2年10年のスプレッドも拡大している。昨日のフィラデルフィア連銀景況感指数が市場予想を上回ったことを受けて「良い金利上昇」となった。さすがにドル円も反応する。

昨日の「広木隆のMarket Talk」でも質問が多かった半導体関連だが、僕は非常に有望なセクターだという見通しを変えていない。この先も好業績と株価の上昇が期待できる。今は、「前の相場でやり過ぎた反動」で冴えないだけだ。あまりにもスマホの売れ行きに一喜一憂し過ぎるが、昨日の村田製作所のニュースのように、各社はスマホ需要の先を見ている。

今日の半導体株の下げの中で群を抜いて大きく売られているのがSCREENホールディングスだが、押し目買いの好機と見る。先日の日経新聞に、同社の垣内永次社長のインタビューが掲載された。印象的な言葉を引用しよう。

「投資家には『しばらく高原状態が続く』と言っていたが、最近は『高原状態の上にもう一段山が見える』と説明している。」 「IoT、仮想通貨の採掘(マイニング)、人工知能(AI)、自動運転支援システムを含め、新しい技術のところにチップの用途が横に広がり、それぞれの領域で量が増えるという相乗効果が起きている。半導体の需要は間違いなく右肩上がりで上がっていく。」 「当社では主力の事業はほとんど円建てのビジネスなので、海外の売上比率が8割と高い割に為替の感応度は低い。」

業績は絶好調で円高も怖くない。先行き半導体需要は「間違いなく右肩上がり」だ。SCREENの株価は25日線が75日線を上から下に抜けるデッドクロスとなっている。チャートの形は悪いが200日線割れで短期的に底値感もある。良い拾い場のように思う。

SCREENホールディングス
(画像=マネックス証券)

広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

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