1万円から投資可能な案件も多いソーシャルレンディング。

昨今は様々な案件テーマも見られ、ポートフォリオを組んだ投資が行いやすくなってきています。

ポートフォリオと言うと難しいイメージがありますが、ソーシャルレンディングは基本的に日々の値動きが無く、ポートフォリオの作成は比較的容易です。

今回は具体例付きで、ソーシャルレンディングのポートフォリオ形成における考えについて解説します。

ソーシャルレンディングのポートフォリオ形成で意識すること

ソーシャルレンディング投資,ポートフォリオ
(画像=PIXTA)

「卵を一つの籠に盛ってはいけない」との話を聞いたことがある方もいるでしょう。投資の世界でリスクを避けるためには分散投資が鉄則です。

その分散投資をどのように行うかという点に関する方法論が“ポートフォリオ理論”です。そしてポートフォリオ理論は非常に奥が深い世界です。

ただしソーシャルレンディングでは、ポートフォリオ理論で多用される数式を利用することなく、アナログな考え方でもポートフォリオを組めます。

ソーシャルレンディングでポートフォリオを組む際に意識するのは「分散させること」です。

分散の内容は、金額・事業者・案件テーマ・タイミングなどが代表的です。

ただしどのように分散させるかは、投資家それぞれのスタンスで差異があります。自らが何を重視して分散させたいのかといった目的意識も大切なのです。

目的意識を持った上での分散投資が、ソーシャルレンディングでのポートフォリオ形成における大きなポイントと言えるでしょう。

ソーシャルレンディングのポートフォリオ例

前述の通り、「どんな形でポートフォリオを組むべきか」は個人によって差異があるため、実際にやってみないと分からない側面もあります。

今回は、100万円の投資資金があると仮定し、具体的にポートフォリオの組み方をシミュレーションしてみました。

ソーシャルレンディング事業者のリスクを考え、大手サービスかどうかという点を重視してポートフォリオを組んでみます。 その場合、私が投資検討対象と考えた事業者は下記です。

選んだソーシャルレンディング事業者
SBIソーシャルレンディング
maneo
オーナーズブック

SBIソーシャルレンディングは東証1部上場のSBIグループ企業、maneoは業界において最大の実績を持つ企業、オーナーズブックは運営会社のロードスターキャピタルが9月28日に上場(IPO)し利益を上げているため、信頼性が比較的高いと考えました。

ソーシャルレンディング投資に事業者のリスクは付き物ですが、大手や上場企業を選ぶことで、必要最低限のリスク回避は可能と考えています。 ※上場会社でも破綻のケースがあるので、その点は留意する必要があります。

金額、案件数の過半数が不動産にならないようにする

日本のソーシャルレンディング案件は不動産案件が多くを占めています。ただし不動産市況が悪くなった場合のことを考えると、不動産案件へ投資を集中させるのは避けるべきです。

私は投資案件のうち、不動産案件が金額もしくは案件数で過半数にならないようにします。 こうすることで、万が一、不動産市況が悪くなっても損失リスクは軽減できる可能性があります。

また、人によっては投資金額もしくは案件のうち、30%までを不動産にするなど、様々な考え方があるでしょう。

コンスタントに投資できるよう月10万円程度に投資額を限定

投資タイミングの分散との観点で、最初に一気に投資金額を埋めるのではなく、1年程度かけて投資資金をソーシャルレンディングに投じます。 100万円全てを投資しきるまでは分配金を得づらくなるものの、投資金を引き出せないというソーシャルレンディングのデメリットを軽減できます。

ただし本ケースでは、基本的に期間が1年前後の案件中心に投資を行う必要があります。

投資期間2~3年の案件ばかりとなると、継続的に投資できる金額が1年内に枯渇することになり、ファンドの償還があるまでは新規資金投入を行わねば、途中は何もすることがありません。

期間1年前後のファンドに投資を行うことで、コンスタントに償還が発生し入金した資金で繰り返し投資が可能となります。

定期的に分配が得られるように工夫しながら毎月投資を行うことで、急に資金が必要になった場合にも一定額を得られるようになり、分配金をそのまま次の案件の投資に回すことができ、複利効果も期待できます。

期待利回りは5~6%近辺の案件を選択

上記3社は5~6%の案件が多く見られます。

また、maenoやSBIソーシャルレンディングで金利10%に近い案件の募集も行われていますが、保守的な運用との観点で基本的には5~6%近辺の案件を選択します。

以上が私が100万円をはじめてソーシャルレンディング投資する場合に考える、ポートフォリオ形成方法です。

投資家によって分散方法や内容は異なるでしょう。期待利回りも投資金額の一定の割合までは8%以上にするという方もいます。

ソーシャルレンディング投資では、大きな損失を被らないように気をつけることが最重要です。

まずは分散投資などリスクを抑えた投資からはじめ、徐々に投資家それぞれの方針を反映させていくことが良いのでは無いでしょうか。

ソーシャルレンディングでポートフォリオを組む楽しみ

私のポートフォリオ形成例はあくまで一例に過ぎず、正解でもありません。

ポートフォリオ形成には個人の考えや目的が反映されます。

それによって投資成績も異なるでしょう。

相場性の商品でポートフォリオを組む場合は複雑な数式が必要となりますが、日々の相場変動のないソーシャルレンディングの場合、数式を使わずともポートフォリオの検討が可能です。

誰でも比較的簡単に考えやすいためポートフォリオを組む大切さが味わえます。

一般的にはポートフォリオを組んで資産運用をするにはそれなりの金額が必要とされますが、ソーシャルレンディングは1万円から投資可能な案件も多くあります。

数十万円単位の投資金額の場合でも、ポートフォリオ形成が可能です

ぜひ私の考え方があなたの投資に活かされれば幸いです。

まとめ

上記のような上場企業など、比較的信頼性の高いソーシャルレンディング事業者でも貸し倒れなどの可能性はあります。それが投資というものです。

しかしながら分散投資を行うことで、大きな損失を被るリスクは軽減できます。

これまでは適当に投資をしていた方も、これを機にポートフォリオ形成を考えていただければ幸いです。

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ブログ「ソーシャルレンディングの投資ノート」の管理人。個人事業主の傍ら、株・REIT・FX・先物等、これまで様々な投資を手がけてきた個人投資家。ソーシャルレンディング投資の面白さと将来性に着目し、ブログを開設しソーシャルレンディングについて分析やコラム等を執筆している。一般的なファンド運営業務も実務を通じ知っていることから、ファンド運営側と投資する側の、両方の視点でソーシャルレンディング業界を見守っている。

(記事提供= クラウドポートニュース )

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