はじめて投資するのであれば、FXか株式投資か?というほど金融商品の中でFXの存在感は大きいものです。しかし、話にはよく聞くものの、どのようなものかよく知らないという人は多いのではないでしょうか?

今回は、仕組みや用語から注意点までFXの基本的なことをまとめました。これを読んで資産運用を有利に進めていきましょう。

FXの仕組み

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(写真=Bankoo/Shutterstock.com)

FXは外国為替に投資する金融商品です。主な特徴は2つあります。「手持ち資金の何倍もの取引ができる」こと、そして「いろいろな通貨の取引ができる」ということです。

手持ち資金よりも大きな金額の取引ができるというのは、例えば手元に10万円しかなくても100万円分のアメリカドルを買えるということです。もし1ドル100円のときに1万ドルを100万円で買い、1ドル101円の「円安ドル高」になったときにドルを売ると、1万円の利益が出ます。投資した10万円が11万円になるわけです。

もうひとつの特徴は「円を売って外貨を買う」だけでなく、さまざまな通貨を売買できることです。FXと同じように外国為替に投資するものとして外貨預金がありますが、基本的に、円を売って外貨を買うことしかできません。しかし、FXの場合は手元に円しかなくても「円を買ってドルを売る」こともできますし、「ドルを買ってユーロを売る」こともできます。「円高ドル安」のみならず、日本円が絡まない通貨ペアの値動き(例えば「ユーロ安ドル高」など)でも収益のチャンスがあるのです。

このようなことができるのは、FXが「差金決済取引」という仕組みにもとづいて行われるからです。FX口座に入金したお金で直接的に外貨を買うのではなく、いったん証拠金として預け、円や外貨を借りるような形で取引をし、その損益だけを証拠金からやりとりします。そのため何倍もの資金を動かしたり、円を売る以外の取引ができたりするのです。

聞きなれない用語を学んで理解を深めよう

証拠金以外にもFXでよく使われる用語を3つ挙げます。最も重要な用語は「レバレッジ」といっていいでしょう。証拠金倍率ともいいます。証拠金の何倍にあたる取引をするかということです。上記の例のように10万円で100万円分のやりとりをする場合、レバレッジ10倍といいます。2018年6月現在、日本の個人取引では25倍が上限です。

取引コストを考えるのに「スプレッド」は重要な概念です。FXではほとんどの業者で売買手数料がかかりませんが、その代わりにスプレッドが業者に支払うコストになります。外国為替の価格には「あなたが買うときの価格」(Ask)と「あなたが売るときの価格」(Bid)の2つがあり、両者の差額が手数料の代わりになるのです。例えば1アメリカドル101.51円(Bid)、101.52円(Ask)のときには、差額の0.01円(1銭)がスプレッドとなります。1万ドル分売買した場合、実質的な手数料は100円というわけです。

「スワップポイント」についても理解しておく必要があるでしょう。金利差のことです。FXには保有期間に応じて預金と同じく金利がつきます。例えばアメリカドルの金利が3%、日本円が1%のときに円を売ってドルを買うと、金利差の2%がもらえるというわけです。逆に、売った通貨の金利のほうが高い場合にはスワップポイントを支払わなければなりません。

他にも多くのFX用語がありますので、興味がある人は調べてみるとよいでしょう。

■初心者が注意するべきポイントは?

注意しなければならないこととして、高いレバレッジをかけて取引ができるため、短期的に高い利益を得られる可能性がある反面、投資した証拠金の額以上に資金を失うリスクもあるため、取引をしている間は市場の動きに細心の注意を払う必要があります。また、FXの利益は、他者の損失から生まれるため、ゼロサムゲームとも言えます。このような点から、FXは長期の資産形成には向かない、という意見もあります。

とはいえ、FXもしっかりリスク管理を行えば有力な投資方法の一つです。FX取引を行う場合は、経済や為替を良く勉強するとともに余裕資金の中でも一部の範囲で行うことをおすすめします。(提供:マネーLife Style


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