昨日の海外時間には、トルコで拘束されている米牧師が解放される見通し、と報じられたことからリスク回避が後退して円が売り戻されました。
今後の見通し
金曜日から急落したトルコ・リラですが、現在は安値圏でももみ合いになっています。また昨日急落した南ア・ランドは急落分をほぼ戻しています。リスク回避で売られた日経平均も今日は反発していて、市場の混乱が一旦は収まったように見えます。しかしながら、昨日のNY時間に「(トルコで拘束されている)米牧師は8月15日までに解放される見込み」と報じられたにもかかわらずトルコ・リラの反発につながっていないことを考えると、新興国通貨の動揺が終わったとは言えません。引き続き突発的な動きでリスク回避の動きが強まって全般的な円買いが強まる局面があると考えられます。
利益確定後再びドル売り
111.35円で作ったドル売り円買いポジションですが、昨日午後安値を更新できなくなったことから110.35円で買い戻しました。さきほど再び110.85円でドル売り円買いのポジションを作って、損切りを111.35円においています。
海外時間からの流れ
欧州時間序盤、米長期金利が低下したことから円買いが優勢となって、ドル円は110.10円台まで、ユーロ円は125.20円付近まで、ユーロドルも1.1360台まで下落しました。しかし米長期金利が下げ止まって各国株価が反発を始めると、円買いは収まりました。
その後NY時間にかけて「(トルコで拘束されている)米牧師は8月15日までに解放される見込み」と報じられたことからリスク回避が後退して円とドルが売られ、ドル円は110.90円台まで、ユーロ円は126.70円台まで、ユーロドルも1.1430台まで上昇しました。しかし各国株価が下落に転ずると、再び円とドルが強含み、ドル円は110.60円付近まで、ユーロ円は125.90円台まで、ユーロドルも1.1380台まで反落しました。
なお急落したトルコ円は16円を中心としたもみ合いに終始しています。
今日の予定
今日の海外時間には、独・7月消費者物価指数(確報値)、独・第2四半期GDP(速報値)、英・7月雇用統計、独・8月ZEW景況感調査、ユーロ圏・8月ZEW景況指数、ユーロ圏・第2四半期GDP(改定値)、ユーロ圏・6月鉱工業生産、米・7月輸入物価指数の発表が予定されています。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp