株主優待とは、簡単にいえば「株式を持っている人だけに行われる特別サービス」のことだ。株主優待の内容は企業によってさまざまで、自社商品を無料でもらったり、割引サービスが受けられたりするものもある。

しかし、株主優待が受けられる株式銘柄は数多く存在し、欲しいサービスも投資家によって異なる。そこで今回は初心者の方のために、人気の優待銘柄をランキング形式でお伝えする。

まずは、株主優待の注意点とテクニックを確認しよう。

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株主優待を取得するためには、決まった期限までに株式を持っている必要がある

株主優待を取得するためには、権利確定日に株式を持っていることが必要だ。ただし、株主(株式の保有者)として登録されるのは3営業日後(土日祝日を入れない3日後)なので、権利確定日の3営業日前(権利確定日当日を含めれば4営業日前)には該当する銘柄を購入しておく必要がある。 例えば、2018年9月末が権利確定日の場合、9月25日(火)取引終了時点で株式を持っていれば、株主優待を取得できる。

積立でコツコツ貯めて、株主優待を取得

カブドットコム証券では「プチ株(単元未満株)」の取引が可能である。通常の株取引では100株単位など、まとまった株式数で取引が必要だが、プチ株なら1株からの取引が可能だ。

株主優待を取得するには、企業が指定するまとまった株数を保有している必要がある。(指定する株数に達していない場合は、株主優待はもらえない。)しかし、指定する株数に達していない場合でも、配当金は受け取れる上、コツコツ積み立てて企業が指定する株数になれば株主優待も得られるようになるため、初心者にはお勧めのテクニックといえるだろう。

9月の株主優待銘柄人気ランキング 時価総額上位15社

まず、株式の時価総額(簡単にいえば対象企業の規模)順に考えると、以下の通りとなる(株価や時価総額は2018年9月4日終値時点)。なお、権利確定月とは「株主優待を貰える権利が確定する月」のことで、主に最低100株以上を持っていることが株主優待をもらえる条件である。

1位:ソフトバンクグループ <9984>

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携帯電話でおなじみのソフトバンクグループは、時価総額が約10兆9,472億円、株価は1万245円である。権利確定月は3月と9月で、この時に100株(約102万円分)以上を持っていれば、自社携帯電話やタブレットなどの利用料金が半年間割引される。

2位:本田技研工業 <7267>

本田技研工業は、バイクと自動車で世界的に知られる企業だ。時価総額は約5兆7,857億円で、株価は3,218円である。権利確定月は3月・6月・9月・12月と4回もあり、それぞれで100株(約32万円分)以上を持っていれば、レースやイベント、工場見学会などへ応募できたり、オリジナル切手やカレンダーなどが貰えたりする。9月は、100株以上を3年以上継続保有(9月末日、12月末日、3月末日および6月末日の株主名簿に同一株主番号で連続13回以上記載)の株主には、Hondaオリジナルフレーム切手(62円切手2枚)が貰える。

3位:日産自動車 <7201>

日産自動車もまた、世界的に有名な自動車企業だ。時価総額は約4兆3,473億円で、株価は1,040円である。権利確定月は3月と9月で、この時に100株(約10万円分)以上を持っていれば、新車購入時の特典(約1万円分)が貰える。

4位:オリエンタルランド <4661>

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東京ディズニーランドで誰もが知るオリエンタルランドは、時価総額が約4兆2,897億円、株価は1万1,890円だ。権利確定月は3月と9月で、3月は100株(約119万円分)以上、9月は400株以上(約476万円分)を持っていれば、保有株式数に応じた「1デーパスポート」が貰える。

5位:京セラ <6971>

電子部品の大手企業である。時価総額は約2兆5,527億円、株価は6,860円。権利確定月は3月と9月で、この時に全株主を対象に、宝飾品やキッチン用品などの商品や、グループ企業のホテル利用などの各種サービスを優待価格(特別価格)で購入・利用できる。

6位:富士フイルムホールディングス <4901>

液晶フィルムの製造・販売や傘下の富士ゼロックスが有名だ。時価総額は約2兆3,791億円で、株価は4,653円である。権利確定月は3月と9月で、この時に100株以上(約47万円分)以上を持っていれば、主にヘルスケア系の自社商品(3月)やクーポン券などが貰える。

7位:テルモ <4543>

医療機器の大手である。時価総額は約2兆3,317億円で、株価は6,090円だ。権利確定月は3月と9月で、この時に1株(約6,090円分)以上を持っていれば、自社の体温計や血圧計などを優待価格で購入できる。

8位:オリックス <8591>

オリックスは、リースをはじめ、金融、生保、不動産、そしてプロ野球などさまざまな事業を手がけている総合企業だ。時価総額は約2兆3,168億円で、株価は1,770円である。権利確定月は3月と9月で、この時に100株(約18万円分)以上を持っていれば、プロ野球観戦、レンタカー利用、ホテル利用などさまざまなサービスを優待価格で受けられる。

9位:新日鐵住金 <5401>

鉄鋼メーカーである新日鐵住金は、粗鋼(加工前のハガネ)生産で国内首位である。時価総額は約2兆579億円、株価は2,181円だ。権利確定月は3月と9月で、この時に500株(約109万円分)以上を持っていればカレンダーがもらえ、1,000株(約218万円分)以上を持っていれば抽選で「鹿島アントラーズ」試合観戦、「紀尾井ホール」演奏会に参加できる。

10位:野村ホールディングス <8604>

証券会社として国内最大手の野村ホールディングスは、時価総額が約1兆8,659億円、株価は511円である。権利確定月は9月のみで、この時に1,000株(約51万円分)以上持っていれば、オリジナルカレンダーがもらえる。

11位:日本航空 <9201>

日本の空輸をつなぐ日本航空は、航空会社として誰もが知っていることだろう。時価総額は約1兆3,930億円で、株価は4,058円である。権利確定月は3月と9月で、この時に100株(約41万円分)以上を持っていれば、飛行機運賃やツアー料金の割引券がもらえる。

12位:ヤクルト本社 <2267>

ヤクルトをはじめ、乳酸生菌飲料で有名なヤクルト本社は、時価総額が約1兆3,632億円、株価は8,120円である。権利確定月は3月と9月で、100株(約81万円分)以上持っていれば、ジュースなどの自社商品の詰め合わせ(3月)、または神宮球場での野球観戦チケット(9月)がもらえる。

13位:ANAホールディングス <9202>

国内首位の航空会社である。時価総額は約1兆3,117億円、株価は3,843円。権利確定月は3月と9月で、この時に100株(約38万円分)以上を持っていれば、航空運賃の割引券、または関連するグループ企業施設の優待利用券や割引券がもらえる。

14位:大東建託 <1878>

主に不動産投資で有名な企業である。時価総額は約1兆1,738億円で、株価は1万6,060円だ。権利確定月は3月と9月で、この時に100株(約161万円分)以上を持っていれば、不動産の賃貸や購入時の特別サービスが受けられる。

15位:東京急行電鉄 <9005>

東急グループの中核で、交通や不動産で知られている。時価総額は約1兆1,398億円で、株価は1,833円である。権利確定月は3月と9月で、この時に200株(約37万円分)以上持っていれば、電車やバスの無料キップ、関連施設での割引券などがもらえる。

9月の株主優待銘柄人気ランキング 30万円以下(株価が3,000円以下)で買える時価総額上位15社

少ない投資額で大きなリターンを狙うのは投資の鉄則だ。これは株主優待を狙う場合にも当てはまる。そこで次は「30万円以下で買える銘柄」を、時価総額順にお伝えする。 ※一部、30万円以上払わないと株主優待を受ける権利がもらえない銘柄も含まれている。

1位:日産自動車 <7201>

時価総額で3位だった日産自動車である。権利確定月は3月と9月で、この時に100株(約10万円分)以上を持っていれば、新車購入時の特典(約1万円分)が貰える。新車購入を考えている方や、地方在住などで、車は生活必需品といった方には特にお勧めだ。

2位:オリックス <8591>

時価総額で8位だったオリックスである。権利確定月は3月と9月で、この時に100株(約18万円分)以上を持っていれば、プロ野球観戦、レンタカー利用、ホテル利用などさまざまなサービスを優待価格で受けられる。レジャーや旅行が好きな方には、特にお勧めだ。

3位:新日鐵住金 <5401>

時価総額で9位だった新日鐵住金である。権利確定月は3月と9月で、この時に500株(約109万円分)以上を持っていればカレンダーがもらえ、1,000株(約218万円分)以上を持っていれば抽選で「鹿島アントラーズ」試合観戦、「紀尾井ホール」演奏会に参加できる。サッカーファンには魅力的ではないだろうか。

4位:野村ホールディングス <8604>

時価総額で10位だった野村ホールディングスである。権利確定月は9月のみで、この時に1,000株(約51万円分)以上を持っていれば、オリジナルカレンダーがもらえる。このカレンダーは基本的に余白が多いシンプルなものなので、毎年のカレンダーに困ることは無くなるだろう。

5位:東京急行電鉄 <9005>

時価総額で15位だった東京急行電鉄である。権利確定月は3月と9月で、この時に200株(約37万円分)以上を持っていれば、電車やバスの無料キップ、関連施設での割引券などがもらえる。利便性の高い無料キップの利用はもちろん、関連施設の利用を考えている方にはお勧めである。

6位:大和証券グループ本社 <8601>

野村に次いで2位の対面証券会社として有名だ。時価総額は約1兆1,253億円、株価は664円である。権利確定月は3月と9月で、この時に1000株(約66万円分)以上を持っていれば、持ち株数に応じた名産品やダイワのポイントがもらえる。なお、購入は100株(約7万円分)からできるので、少数ずつ積み増していく方法もお勧めできる。

7位:小田急電鉄 <9007>

新宿が拠点の鉄道大手として有名な小田急電鉄は、時価総額が約9,054億円、株価は2,450円である。権利確定月は3月と9月で、この時に500株(約123万円分)以上を持っていれば、持ち株数に応じた優待乗車証や関係施設で使える割引券がもらえる。なお、100株(約25万円分)からの購入が可能となっている。

8位:リコー <7752>

事務機器の大手として有名なリコーは、時価総額が約8.522億円、株価は1,162円である。権利確定月は3月と9月で、この時に100株(約12万円分)以上を持っていれば、カレンダーがもらえる。なお、全株主が自社製品を特別価格で買えるほか、1,000株(約120万円分)以上を持っていれば、演奏会の招待など、さらに上質な優待がもらえる。

9位:西武ホールディングス <9024>

西武鉄道、そしてプロ野球で知られる西武ホールディングスは、時価総額が約6,856億円、株価は2,018円である。権利確定月は3月と9月で、この時に300株(約61万円分)以上を持っていれば、持ち株数に応じた鉄道きっぷや関連施設で使える割引券がもらえる。なお、購入は100株(約20万円分)から可能となっている。

10位:LIXILグループ <5938>

住宅設備の最大手である。時価総額は約6,561億円、株価は2,062円。権利確定月は9月のみで、この時に100株(約21万円分)以上持っていれば、自社サービスの割引券や一定のサービス申込で商品券がもらえる。

11位:ユー・エス・エス <4732>

ユー・エス・エスは、中古車オークション運営、中古車買い取りで首位の企業だ。時価総額は約6,431億円、株価は2,053円である。権利確定月は3月と9月で、この時に100株(約21万円分)以上を持っていれば500円相当のクオカード、さらにそれ以上を持っていれば、持ち株数に応じたギフトカードなどがもらえる。

12位:コニカミノルタ <4902>

複合機として中堅、さらに関連サービスもしている。時価総額は約5,509億円で、株価は1,103円である。権利確定月は9月のみで、この時に100株(約11万円分)以上を持っていれば、オリジナルカレンダーがもらえる。

13位:丸井グループ <8252>

小売業として国内有数の知名度を誇っている丸井グループは、時価総額が約5,504億円で、株価は2,482円である。権利確定月は3月と9月で、この時に100株(約25万円分)以上を持っていれば、持っている株式数に応じた買い物券、ウェブクーポン、あるいはポイントがもらえる。

14位:ヤマダ電機 <9831>

家電量販店の最大手で知られるヤマダ電機は、時価総額が約5,316億円、株価は551円である。権利確定月は3月と9月で、この時に100株(約6万円分)以上を持っていれば、持っている株式数に応じた優待割引券がもらえる。

15位:京浜急行電鉄 <9006>

交通や不動産、ホテルで有名である。時価総額は約5,143億円で、株価は1,892円だ。権利確定月は3月と9月で、この時に100株(約19万円分)以上を持っていれば、持っている株式数に応じた交通きっぷ、あるいは関連施設で使える割引券、無料券などがもらえる。

※上記はQUICKデータを基にカブドットコム証券が作成しております。 ※上記銘柄は2018年9月株主優待実施予定銘柄のうち、時価総額順および株価が3,000円以下になる銘柄を時価総額順に並べたものです。(株価、時価総額は2018年9月4日終値時点) ※優待内容は各企業の判断により変更・中止となる場合がございます。お取引に際しましては必ず当該企業のホームページ等で内容をご確認ください。 ※各銘柄情報の内容につきましては、変更される場合もございます。情報の内容につきましては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。万一この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社及び情報提供者は一切の責任を負いかねます。 ※権利落日の取引所基準価格は、前日終値から1株当たりの予想配当金額分だけ理論上値下がりします。

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