不愉快な相手をピタリと黙らせるテクニック6

ブラック心理術,ロミオ・ロドリゲスJr
(画像=The 21 online)

ここ一番の交渉で勝ちたいとき、不愉快な相手を黙らせたいとき……うまく言葉が出て来ずに悔しい思いをすることはないだろうか。「物腰柔らかくとも、反撃することが大切です。そうしないと、いつまでもナメられるだけです」と話すのは、「メンタルマジック」の第一人者であるロミオ・ロドリゲスJr氏だ。タイプ別に相手を沈黙させるブラック心理術について教えていただいた。(取材・構成=杉山直隆、写真撮影=まるやゆういち)

(1)プライベートに土足で踏み込んでくる相手を遠ざけたい

→スカッシュの法則

親しくもないのに、プライベートなことを根掘り葉掘り聞いてくる相手には、「スカッシュの法則」がよく効く。実は、人のプライベートにガンガン踏み込んでくる人は、自分のプライベートに踏み込まれるのを嫌うのだ。だから、スポーツのスカッシュのように、相手が打ち込んできたら打ち返す。具体的には、興味がなくても、相手のプライベートなことを根掘り葉掘り聞けばいい。すると、相手も踏み込んでこなくなるだろう。

(2)上から目線でマウントを取ってくる相手を見返したい

→習慣指摘

上から目線で指摘してくる同僚や友人には、指摘に対してお礼を述べた後で、「習慣指摘」をすると良い。たとえば、「ご指摘ありがとう。気をつけるよ」などとお礼を述べた後、「でも、こういう言い方をした方がもっと伝わるんじゃないかな」と相手の無礼な言い方を指摘するのだ。すると、最初にお礼を述べているので、相手も反発しにくい。以後、「言い方がマズい」という指摘が気になり、今後は上から目線で指摘しづらくなるだろう。

(3)自慢話がうるさい相手を黙らせたい

→「イエス・バット法」の応用

自慢話を止めるには、「その話が自慢話になっていない」と気づかせればいい。しかし、いきなり否定すると角が立つ。そこで役立つのが「イエス・バット法」。まず「イエス」と受け止めた後、「バット」を述べる。たとえば「県大会で優勝した」というなら「それはすごい!」と受け止めた後、「でも全国大会では勝てなかったんだね」とそれ以上の成績は挙げられなかったことを指摘する。すると相手は、あなたに自慢しても自慢にならないと思い、黙るだろう。

(4)お説教ばかりしてくる上司から逃げたい

→スケープゴート

説教やイヤミが絶えない上司とは距離をとりたくなるものだが、逃げると説教はエスカレートするだけ。逆に「ありがとうございます、もっと具体的に聞かせてください!」「飲みに行って話しましょう!」と、逆に近づくのが正解だ。すると、次第に叱る内容がなくなるだけでなく、「こいつは骨のある部下だ」と思われて、味方になってくれるだろう。さらに万全を期すなら、身近にいる困った同僚や後輩などの名前を出し「最近、○○君がたるんでいるようです」と次の生贄を差し出すと、矛先を変えるだろう。

(5)反抗的で困った部下に、きちんと働いてもらいたい

→ピグマリオン効果

反抗的な部下も無気力な部下も、実は根っこは共通している。「上司に期待されていない」ことが怖いのだ。したがって、それを否定する行動をとるといい。具体的には、「ピグマリオン効果」を活用しよう。簡単に言えば、その部下に対して「期待をしている」と伝えることだ。ただし、抽象的な期待では効果ゼロ。「君の分析力に期待している」など、部下の長所をピンポイントで指摘する。すると、やる気が高まり、結果を出すだろう。その結果をまた褒めると、次第に問題行動がなくなっていく。

(6)理不尽なことばかり言ってくるクレーマーに引き下がってもらいたい

→イエス・セット法

無理難題を言うクレーマーにはどう対処するか。人は、たとえ怒っていても、ポジティブな言葉を口にし続けると、徐々に心が安定し、感情の乱れがなくなる。よって、クレーマーにはポジティブな言葉を言わせることが大切だという。そこで有効なのが「イエス・セット法」。肯定の言葉で終わる質問を根気よく投げかけるのだ。「こういう理解でよろしいですか?」「この点にご不満なんですね?」などと確認の質問をすると、イエスと言わせやすくなる。

【コラム】「1秒以内」に答えるだけで、相手は信用する!?

プレゼンや商談の成功率を高めるには、何が重要だろうか。ロミオ氏は、「『ハッタリ』をきかせるだけでも、説得力は高まる」と言う。

「ハッタリをきかせる上で必要なのは、まず『断言すること』です。詐欺師に多くの人が騙されるのは、ウソであっても自信を持って断言するから。プレゼンなどでも、多少自信のないことでも、自信を持って断言すれば、相手は信じてくれるものです」(ロミオ氏)

もう一つ大切なのは、何か質問された時に即答すること。「質問の返答は、普通1秒以内。それ以上沈黙すると、『この人、何もわかっていないのでは?』と思われてしまいます。何か聞かれたら、『はい』でも『そうですね』でもいいので、すぐに返すクセをつけましょう」(ロミオ氏)

ロミオ・ロドリゲスJr.(Romeo Rodriguez Jr.)(一社)日本マインドリーディング協会代表理事
1972年、香港生まれ。メンタリスト。「メンタルマジック」を日本に確立させた第一人者。2009年香港に渡り、独自のビジネス心理方法論を作り上げる。10年には香港大学専修科でメンタリズムの講師として抜擢。「ザ・スーパーメンタリズム・エンターテイメント」を主催し、各地で超心理術エンターテイメントショーを展開する他、独自のビジネス心理方法論を主にしたセミナーを開催。著書に、『97%の人を上手に操るヤバい心理術』(ソフトバンククリエイティブ)、『絶対に勝つ黒い心理術』(PHP研究所)などがある。(『The 21 online』2018年4月号より)

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