注文住宅を建てる場合、土地の購入から引っ越しの後まで、土地の購入代金や建築工事費用のほかにも、さまざまな費用が発生します。想像以上に複雑な費用・手間がかかるといわれるため、資金計画を立てる際には費用の内訳を把握しておくことが大切です。

土地購入時に必要な費用

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(写真=Photographee.eu/Shutterstock.com)

まず、土地を購入する際に必要な費用です。土地は非課税取引の対象となります。

売買契約手付金

土地の売買契約時に買主から売主に支払うお金を指していうことが多いです。最終的な土地購入費総額から差し引かれますが、この段階では住宅ローンの融資を受けることはできないため、現金や預金小切手で支払う必要があります。手付金を支払うために他のローンを組んでしまうと、住宅ローンの本審査に影響が出てしまうためおすすめできません。

購入物件の残代金

土地販売価格から、契約時までに支払った金額を差し引いた額を土地引き渡し前に支払います。ここで多くの方がローンを利用します。

(諸費用)仲介手数料(上限:売買価格×3%+6万円+消費税)

不動産会社に支払う手数料で、売買価格が400万円を超える土地の場合、200万円までの部分は価格の5%、200万超400万円までの部分は価格の4%、400万円超の部分には価格の3%が手数料限度額として定められています。

(諸費用)売買契約書印紙代

印紙代は税率によって規定されます。2014年~2020年3月31日作成の場合、軽減措置の対象となり、1,000万円超5,000万円以下のものは1万円です。

(諸費用)登録免許税(不動産価格の2%)

登記費用として発生する税金です。2019年3月31日までに登記を受ける場合には、1.5%へと軽減されます。

(諸費用)司法書士報酬(数万円程度)

登記の際、依頼した司法書士に対して支払う報酬です。司法書士の報酬に関しては、報酬の自由化に伴い、各司法書士事務所により異なります。

住宅建築時に必要な費用

注文住宅建築の段階では、最も高額で諸費用の基準となる「建物本体工事費」のほかに依頼する住宅会社によっては以下のような費用が別途必要となります。工事費は契約時・着工時・上棟時・引き渡し前と数回に分けて支払うのが一般的です。工事費や不動産会社への仲介手数料といった費用には消費税がかかる点にも注意しましょう。

費用内訳 内容例
建築家への設計料 工事請負金額の10~13%程度
工事契約金 建築工事費の10%程度
建築確認申請費 完了検査申請・工事完了通知手数料(100平方メートルを超え200平方メートル以内の場合は、1万5,000円)など
印紙代 取引価格1,000万円超5,000万円以下は1万円(契約金額によって異なる)(2018年9月現在)
着工金 着工時に支払う本体工事費の一部。工事請負金額の20~30%程度
地鎮祭費用 地鎮祭時に支払う。3万~6万円程度
中間金 上棟時に支払う本体工事費の一部。工事請負金額の30%程度
上棟式費用 10万円前後
建築費の残代金 引き渡し前に支払う本体工事費の一部。工事請負金額の30~40%程度
登録免許税 ・引き渡し前に支払う。建物表示登記の場合は無税だが、土地家屋調査士に手続きを代行してもらう報酬(8万~10万円程度)が必要
・建物の所有権を示す所有権保存登記には、不動産評価額×0.15%がかかり、司法書士への報酬が別途8万~12万円程度必要
付帯工事費 解体工事費・外構工事費など
その他諸費用 狭い全面道路を占拠して小分けにした材料の搬入をする必要がある場合の費用、工事中の駐車場費用など

(表=MORIZOU online編集部)

引き渡し後に必要な費用

土地・建物引き渡し後には、引っ越し代金や家具家電購入などの費用がかかってきます。また、入居後には不動産取得税の支払いが求められます。不動産取得税は、土地・住宅ともに課税標準額(取得時の不動産価格×2分の1)×3%で算出されます。
※2021年3月31日までに取得した場合

住宅購入後に支払い続ける必要がある費用

新しい生活が始まった後には、住宅ローンの返済や修繕費のほか、固定資産税・都市計画税の毎年の納付が義務付けられています。これらの税金は市町村税で、土地・建物の固定資産税評価額によって求められます。自治体によって税率が異なりますが、標準税率は1.4%で、軽減措置も設けられています。4月ごろに納税通知書が市町村より送付されますので、期日までに納めましょう。

諸費用を踏まえ、事前に資金計画を

こだわりの注文住宅を実現したら、素敵なインテリアや親しい友人を招いてのホームパーティーなど、新しい楽しみが多く出てくるもの。家づくりの際には土地や建物工事の費用だけでなく、新居での生活や家計も考えて資金計画を立てることが大切です。家族のさまざまな理想を詰め込めるのは注文住宅の最大の魅力ですが、前もって一度シミュレーションを行うようにしましょう。(提供:MORIZOU online

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