今、やっておかないと定年後に後悔することとは?
「このままでは将来が不安。だが、どうすればいいのかわからないし、それを考える余裕もない」……多くの40代の偽らざる本音ではないだろうか。だが、多くの識者が共通して指摘するのは、「今」働き方を変えなければ、一生後悔することになるということだ。では、40代で必ずやっておくべきこととは何か。その方策を11にまとめてみた。
40代で必ずやっておくべき11のこと
「もう一人の自分を見つける」
「自分の履歴書を書いてみる」
「社外の人脈を意識して増やす」
「趣味を再開する」
「得意技をもう一つ増やす」
「仕事を作れる人になる」
「自分の役割を俯瞰的に意識する」
「量から質の仕事にシフトする」
「人に任せて成果を出す」
「食を見直す。身体を動かす」
「自分の本当に進みたい人生を考えてみる」
一本道のキャリアは大きなリスクに
40代は「不遇な世代」と言われる。バブル崩壊直後の冬の時代に社会人となり、給料は上がらず、管理職のポストは減少し、定年後は年金不安も抱える。一方で若手の減少により、仕事量はまったく減らない。
だが、そんな境遇に愚痴をこぼしながら、「仕方がない」と今までどおりの働き方をすることこそ、最大のリスクだ。将来、後悔しないためには、今ここで「働き方」「生き方」を変えなければならない。40代はまさに、その最後のチャンスだ。
では、どうすべきか。最も多くの識者が指摘するのが、「もう一人の自分を見つける」ことの重要性だ。今の時代、「一本道のキャリア」は心許ない。「営業課長」や「人事のプロ」といった今の自分は、会社がなくなったり定年を迎えたりした後も、果たして有効だろうか。
その際に大事になるのが、「自分のキャリアを別の場所で活かせないか」という発想だ。営業で培った対話力を生かしコミュニティを主宰する。あるいは経理の知識を活かし、ベンチャーの支援をする。こうした「もう一つの自分」があれば、生き残るチャンスはそれだけ増える。
「自分の履歴書」を書いてみよう
「今さら新しいことなんて」と考える人も多いはずだ。そんな人にお勧めしたいのが、「自分の履歴書を書いてみる」こと。すると、自分が得意なこと、自分が本当に何をやりたいかといったことが見えてくるはずだ。
もう一つ重要なのが「社外の人脈を意識して増やす」ことだ。とくに「困ったときにすぐにアドバイスしてもらえる人がどれだけいるか」が重要だ。
また、「趣味を再開する」こともお勧めしておきたい。定年後にいきなり新しい趣味を始めるのは難しい。この年代からスタートしておけば、仲間もでき充実した定年後を送れる。
だが、それだけではない。現代は「好きを仕事にできる」という時代。「クラウドワークス」や「ランサーズ」などのクラウドソーシングサイトや、「メルカリ」などのフリマサイトを活用すれば、趣味を副業化してお金を稼ぐこともできる。趣味が「もう一人の自分」となり得るのだ。
AIに仕事を奪われないためには?
今の40代にはもう一つの「危機」がある。それがITやAIの発達により、「今の仕事がなくなる」という問題だ。
結論から言えば、人の仕事がすべてなくなることはない。だが、ある仕事が突然なくなることは十分にあり得る。
そこで大事なのが「得意技をもう一つ増やす」こと。40代ともなれば、今までの経験で培われた「得意なこと」が一つはあるだろう。だが、たった一つのスキルでは、丸ごとAIに取って代わられる可能性がある。複数あればそう簡単に代替できず、かつ、自分の希少性も高まる。ベストセラー『ライフ・シフト』の著者、リンダ・グラットン氏はそんな人材を「連続スペシャリスト」と呼んでいる。
もう一つ大事なのが、「仕事を作れる人になる」ことだ。誰かに、指示されたとおりに書類を作る仕事は、AIに代替される時代が来るかもしれない。だが、「何のためにどんな書類を作るか」を指示する人は決して代替され得ない。
そのためには、「自分の役割を俯瞰的に意識する」ことも重要になってくる。会社全体、世の中全体を俯瞰し、自分がどういうことを求められているかを知ることが、最短で最高のアウトプットを出すための方法だからだ。
あなたが求めるのは出世? やりがい?
新たなスキルを身につけ、社外人脈を広げ……そんな時間などない、という声が聞こえてきそうだ。だからこそ重要なのが「量から質の仕事にシフトする」という意識だ。ITやAIの活用も真剣に考えてみるべきだろう。「人に任せて成果を出す」という仕事にチェンジしなくてはならないのもこの時期だ。
また、「食を見直す。身体を動かす」ことも、この年代でやっておきたいことだ。健康に不安があっては十分な仕事はできず、定年後の不安もさらに増す。
最後に、今すぐやってみていただきたいのが、「自分の本当に進みたい人生を考えてみる」こと。ひたすら「やりたい仕事」を追求したいのか。プライベートを重視したいのか。あるいは、あくまで社内でトップまで上り詰めたいのか。
正解はない。だが、これを決めずに日々の仕事に流されるのは時間の無駄だ。
40代が変革を迫られているということは、逆に言えば、40代はまだまだ、新たなチャレンジが可能な年代とも言える。ぜひ、前向きに「40代からの働き方」を考えていってもらいたい。
THE21編集部(『The 21 online』2018年1月号より)
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