統合型リゾート(IR)実施法が2018年7月に成立し、いよいよ日の丸カジノが実現に向け本格的に動き出した。観光振興の目玉として期待されるカジノだが、まだまだ不明な点も多い。いったい日本初のカジノ施設はどのようなものになるのだろうか。

疑問1 カジノができる場所はどこ?

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(画像=Nejron Photo/Shutterstock.com)

カジノはどこに造られる予定なのだろうか。政府は国内のカジノの認定数について、まず3ヵ所を上限とすることを決定している。ただし今のところ具体的なカジノの建設場所については決定しておらず、今後選定していく予定だ。

当面は国内でわずか3ヵ所のみとあって、カジノ誘致を目指す各自治体は早速誘致活動を活発化させている。2018年8月上旬に開催された内閣官房によるIR説明会では、3日間で40近くもの自治体が参加し、関心の高さが伺えた。

大阪府や大阪市が誘致を検討している大阪湾内の人工島「夢洲(ゆめしま)」は、現時点での主なカジノ候補地の一つだ。夢洲構想では既に大林組 <1802> や鹿島 <1812> も開発に関するプロジェクトチームを設け、参画に向け動き出している。

北海道でもIR誘致の動きが活発だ。道内では苫小牧市、釧路市、留寿都村がカジノ誘致に名乗りを上げている。3自治体の内、2018年8月に北海道で開かれた有識者会議では、開設可能なIR施設の規模やIR関連事業者の関心度、新千歳空港への近さなどから、道内であれば苫小牧市の可能性が濃厚とみている。

長崎県ではエイチ・アイ・エス <9603> 傘下のハウステンボスが長崎県・佐世保市と共に大村湾に海中カジノ構想を計画し、誘致に名乗りを上げている。その他にも東京都のお台場や神奈川県横浜市の山下ふ頭、愛知県の中部国際空港島、和歌山県の和歌山マリーナシティなど、多数の候補地がカジノ誘致に積極的姿勢を示している。

疑問2 日本人はカジノに入れるの?

海外からの誘客を目的とし、観光振興の目玉と位置付けられているカジノだが、日本人もカジノを利用することができるのだろうか。答えは可能だ。ただし日本人がカジノを利用する際には、様々な制限が課されることが予定されている。

外国人が日本のカジノを利用する際には入場料は必要ないが、日本人・在日外国人には入場料が課される。入場料は1回の入場に付き6,000円が予定されている。

また同じく日本人・在日外国人を対象に、入場回数を週3回かつ月10回までに制限することも決定している。これらの制限はギャンブル依存症対策を主な目的として厳しく実施され、カジノ入場時にはマイナンバーカードで本人確認が行われる。

疑問3 どのような施設ができる?

日本人がカジノを楽しむためには、これまでは海外に行く以外に方法はなかった。しかしいよいよ日本でもカジノを楽しめる時代がやってくる。順調にいけば、2020年代半ばには日本初のカジノが誕生する予定だが、一体どのような施設になるのだろうか。

完成したカジノを想像して、100%カジノだけの施設ができると思っている人がいるかもしれないが、これは大きな間違いだ。IR実施法によって、カジノの面積は統合型リゾート施設の延床面積のわずか3%までと定められている。つまり残りの97%はショッピング施設やレストラン、バー、ホテル、コンベンション施設など、カジノ以外の施設となる。カジノが好きな人はもちろん、カジノに興味のない人でも楽しめる一大統合型リゾート施設が誕生する予定だ。

今後、カジノ誘致に向けてさらに動きが活発化することが予想されるが、まずは日本のどこにカジノが造られるかに注目したい。

文・右田創一朗(元証券マンのフリーライター)/MONEY TIMES

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