ペットとして飼われているネコの数は、952万頭ほど(2017年10月時点、一般社団法人ペットフード協会調べ)。以前は犬のほうが多かったが、2017年に初めてネコが上回った(犬は約892万頭)。「ネコノミクス」という言葉も生まれるほど、多くの人がネコにお金を費やしているが、愛猫家になるためにはさまざまな費用が必要となる。1匹に必要な生涯費用は一体どれくらいなのだろうか。

購入時に必要となる初期費用は約10万円

ネコ,費用
(画像=Melissa Sue/Shutterstock.com)

購入時にかかるコストはどれくらいだろうか。ここで確認しておこう。

ネコの販売価格 5万円

ネコの購入費は品種によって異なり、5万円~数十万円とその価格設定は幅広い。血統の有無や模様の希少価値によって価格は上乗せされる。少なくても購入費に5万円はかかると見込んでおくのがいいだろう。

初期医療費 3~6万円

ペットショップが既に行っている場合もあるが、そうでない場合感染症予防のための予防接種を生後50日と80日の2回行う必要がある。ワクチンは1回3,000~5,000円。合計で1万円ほど見積もっておくといいだろう。また、ネコの健康のため去勢や避妊手術を行う人も多い。去勢手術は1~2万円、避妊手術は2~3万円ほど。こちらは約2万円必要となると考えておこう。

飼育グッズ 1万5,000円

ネコの飼育環境を整えるため、ネコ用トイレやトイレの砂、ケージや爪とぎ等を準備しなければならない。手頃な価格で用意したとしても1万5,000円ほどは見積もっておきたいところだ。

上記を踏まえると、ネコを飼う初期費用は少なくとも10万円ほどかかる見込みとなる。このほかにもネコの迷子防止のためのマイクロチップ(約3,000~7,000円)や、ネコ用おもちゃなどを含めさまざまなアイテムがあり、費用が上乗せになることも大いに考えられる。

ネコにかかる生涯費用は約107万円

次にネコと過ごすのに、日々必要になる年間のコストを洗い出してみよう。主なものとして、エサ代や医療費などが挙げられる。

エサ代 3万円

ペット協会の調査によるとネコ1匹にかかる市販フード支出額の月平均は2,293円。月で均すとそれほど高くないように感じるが、年間で考えると3万円近くになる。

医療費 1万~3万円

ネコの健康を維持するため、医療費も必要となる。東京都福祉保健局発表の「東京都における犬及びネコの飼育実態調査の概要(平成23年度)」によると、1年間で支払った医療費の総額は1~3万円という人が最も多かった。しかし手術や長引く治療の場合は、さらに費用がかかることになるだろう。

砂代 2万4,000円

トイレの砂は商品によって値段は異なるが、月2,000円見ておけば充分だろう。そのため、年2万4,000円ほどは見込んでおきたい。

上記以外にも定期的に行うノミ・ダニの駆除や、旅行等で家を離れる際に利用するペットホテルなど、他にもさまざまな費用の発生が考えられる。これらも含み、ネコの生涯費用は、ペット協会の調査によると約107万円だという。(2017年に同調査で算出された平均寿命15.33歳に基づく)。

ちなみに犬1頭あたりの生涯必要経費は約160万円(平均寿命14.19歳で算出)。犬に比べるとネコの生涯費用は3~4割ほど安い。

必要総額は1匹で120万円ほど--経済的余裕も判断基準に

初期費用と継続費用を合わせると、ネコを飼うための費用の総額はおよそ120万円。

愛くるしい仕草で人を癒してくれるネコ。しかし、ネコを飼うために必要となる費用は決して安くない。家族に迎え入れるのなら、責任を持って育てられるかどうか、事前にしっかり考えておきたい。

文・万代未希(ファイナンシャル・プランナー)/MONEY TIMES

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