申洲国際集団(02313、香港メインボード)は、浙江省寧波経済技術開発区を生産拠点とする民営の世界的な大手アパレルメーカー。ニットアパレル製品の輸出額では中国最大クラス。日本向け輸出額でも中国最大クラスである。

ナイキ、ユニクロなどのOEM、ODMを行う世界を代表するアパレルメーカーへ

ナイキ、ユニクロ、アディダス、プーマ、ミズノ、FILA、Champion、スポルディング、コンバース、ニューバランス、安踏体育用品、特歩国際といった大手ブランドメーカー向けに、OEM、ODMでスポーツウエア、カジュアルウエア、下着類、その他ニット製品などを生産している。

販売先は海外が中心である。

中国テンバガー
(画像=ZUU online)

製品はスポーツウエアが中心である。

中国テンバガー
(画像=ZUU online)

生産拠点の中核は浙江省寧波市。そのほか、安徽省安慶市、浙江省衛州市などにも拠点がある。海外進出に積極的で、ベトナム、カンボジアに工場を持つ。主要製品については、設計から、編み込み、染料、刺繍、裁縫、包装、配送まで、一貫生産体制を取っている。

実質的な創業は1988年。馬建栄会長の父親で、上海ニット第20工場の副工場長であった馬宝興氏が寧波政府系列の寧波申洲織造有限公司から請われ、副総経理に就任。1965年1月生まれの馬建栄会長も同社で働くことになった。

当時の中国のアパレル製品は重要な輸出品ではあったが、低品質の製品しか作ることができず、激しい価格競争に見舞われていた。馬宝興前会長はかつて日本で研修したことがあり、日本の衣料品に対する要求水準の高さを知ると同時に、品質の良い製品は高く売れることも知っていた。従業員の研修訓練から始めて、日本市場の開拓を目指したのである。

ひたすら品質の向上に努めたことで、同社の製品はやがて中高級の部類に入るようになり1997年、ユニクロからの受注に成功、これが大きな転機となった。

1997年、ほかの株主から株式を購入、支配権を獲得した。1990年代末、馬建栄会長は父親から事業を引き継いだ。2005年11月には香港市場に上場。調達した9億香港ドルはすべて最新の染色機、織布機の購入に充てるなど、徹底して設備の更新を進め、製品の品質を高めることに注力。そして、ユニクロの厳しい要求に応え、受注量を増やすとともに、次々と有名ブランドからOEM、ODMの形で受注を獲得するようになった。

リーマンショックによる業績悪化を機に東南アジアへ移転