「その不用意な一言」で失格の烙印を押される!?

NGワード,大塚寿
(画像=THE21オンライン)

初回訪問はできるが、2回目訪問につながらない、あるいは、なかなか案件化できないことに悩む営業パーソンは少なくない。実は、その原因が商談時の営業パーソンの言葉の選択がまずく、「付き合うに値しない」という烙印を押されているケースが見逃せない数に上っている。しかもこれは本人にも、上司にも気がつきにくいことなので、ここで紹介しておきたい。

ミスが起きやすい3つの選択シーン

普段、何気なく使っていたり、癖や習慣となっていたりするので自然に出てしまう言葉。しかし、選択を誤ってしまうと意図に反した形で相手に伝わってしまうだけでなく、信頼に値しないという評価、お付き合いするレベルにはないというダメ出しの引き金になってしまうので注意したい。

よくよく観察すると、ミスが起きやすいのは次の3つの選択シーンだ。

1 その場にふさわしい言葉や表現の選択
2 専門用語、略称、横文字言葉の選択
3 敬語の選択

1 営業には「一応」という言葉は不向き……その場にふさわしい言葉や表現の選択

例えば、典型的なその場にふさわしくない表現は、初回訪問の相手に対し、自社紹介をする出だしの「弊社の名は、お聞きになったことはございますか?」という質問。

何気ない一言ではあるのだが、全く不用意な一言で、質問自体がなんのプラスも生まないどころかマイナスの結果しか生み出さないので、やってはいけない。

自社が誰でも知っている有名企業であれば、そもそも聞く必要はないだろうし、有名でも無名でも、そこで「いえ、知りません」という返答になってしまうと、結果的に「相手の無知」を暴露することになってしまったり、相手の知識を試すおこがましい行為に映ってしまったりと、不用意な一言以外の何物でもない。

人間関係がまだ成立していない相手に対しては、個人的な知識を問う不用意な質問は避けておきたい。

また、在庫の照会に対し、「一応、在庫は大丈夫でした」という回答と「在庫につきましても、全く問題ございません」という回答のニュアンスの違い。

国語的には両者とも在庫があるはずなのに、不用意に前者のような表現をしてしまうと、相手には「本当に大丈夫なのか?」という不安になるきっかけを作ってしまうので、「一応」を避け、「全く」をうまく使いこなしたい。