「ITパスポート」から始めて戦略・マネジメントの専門家を目指せ

IT系資格
(画像=THE21オンライン)

「IT系の資格は役に立ちそうだけど、まったくの門外漢だから……」。そう思っている人もいるだろうが、滝口氏は、40代の初心者でも、IT系の資格を取ってキャリアアップすることはできると話す。また、IT系の資格の取得は、エンジニアとしてのスキルを高めることではなく、会社の中核的ポジションを得ることを目的にすべきだともいう。

仕事のやり方はシステムが決めている

今や、会社の仕事はシステムを中心に動いています。営業担当者は営業のシステムを、経理担当者は経理のシステムを利用しなければ、仕事ができません。システムによって、仕事のやり方が決められているといっても過言ではないでしょう。

そのシステムを作っているのは、SEやプログラマといったエンジニアです。

しかし、エンジニアだけでは、システムを作ることはできません。システムのユーザーである営業担当者や経理担当者に、どんなシステムを作るべきかを教えてもらう必要があります。

そこでカギになるのが、ユーザー側の立場でエンジニアと話ができる人材です。そうした人材は、社内のシステム開発の旗振り役になれます。

システム開発の旗振り役になるということは、仕事のやり方や流れを自分が決めるということ。会社の仕事に最も詳しい人材になるということです。

そこに至るための第一歩は、「ITパスポート」を取ること。IT初心者でも、半年勉強すれば合格できるでしょう。

さらに一年ほど勉強して「応用情報技術者」に合格すると、それより上級の資格は専門ごとに細かく分かれます。

その中で、キャリアアップのために取得すべきは、「PMP」か「ITストラテジスト」。PMPはプロジェクトマネジメントの資格、ITストラテジストは経営の立場からIT活用の助言や支援を行なう資格です。

注目のデータアナリストになるための資格は?

会社に集まったビッグデータを活用する職種として、近年、注目を集めているのが、データアナリストやデータサイエンティストです。このポジションに就けば、マーケティングの責任者や経営者の片腕になることが期待できます。

データアナリストやデータサイエンティストになるために取るべき資格は、「統計検定」と「OSS-DB技術者認定資格」、「基礎情報技術者」です。

最後に、すぐに仕事に活きる資格として取得を勧めたいのが、ワードやエクセルの能力を評価する「MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)」。試験勉強を通じて、我流では身についていなかった機能を知ることで、作業の効率化が図れ、その結果、データ収集やその内容の検討など、自分の能力を活かす仕事の時間が確保できます。

滝口直樹(たきぐち・なおき)ITインストラクター/明治大学兼任講師
1977年、東京都生まれ。東洋大学社会学部卒業。大学で学んだ教育と学生時代に出合ったITに関わる職業を求め、大手資格スクールに入社し、情報システム部・企画開発部にてデジタルコンテンツ制作・eラーニングプロジェクトを担当する。2006年に独立し、Webコンサルティング・Webサイト制作などを中心に活動。現在は、大学・専門学校・企業研修の講師として活動中。(『THE21オンライン』2018年7月号より)

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