自律神経を乱さない生活習慣4

1 朝はルーチンを大切に

朝からあれこれ用事に追われると、交感神経への切り替わりが急激すぎて疲労を招く。それを防ぐには、朝の行動を毎日同じにすることが重要だ。起床時間、洗顔や歯磨きの段取り、通勤経路の細部などを固定した習慣にすれば「次はどうする」と迷う必要がなく、心に余裕が生まれる。早起きをして、時間に余裕を持たせることも有効。できた時間で散歩を楽しめば、早朝の空気や静かな街の風景が自律神経を自然なリズムに整えてくれる。

2 夜は帰宅後すぐ座らない

家に帰ってすぐにソファに座り込むと、二度と動くのがイヤになり、結果的に夜更かしにつながったり、やるべきことが翌朝に残ったり……と悪いリズムができてしまう。座る前に「靴を軽く磨いて靴箱へ」「カバンや財布を整理する」「着替える」「明日の服装を決める」などの作業をしよう。これを済ませてからなら、食事や入浴のときのリラックス感も大きく、スムーズに副交感神経へとシフトできる。

3 モノを減らす

服装にさほどこだわりがないなら、衣類の枚数は少な目に押さえよう。何を着る、組み合わせはどうする、と考える手間がそのぶん少なくなる。カバンの中身を少なくするのも同様に効果的。最小限の持ち物なら準備も簡単、荷物も軽くて済む。オフィスでも、デスク周りのモノは必要最低限に抑えよう。モノと選択肢を減らして迷う機会をつくらないことが、情報過多社会を生きる知恵と言えるだろう。

4 腸内環境を整える

朝と昼はしっかり食べ、夜は控えめにするのが理想の食生活。夜間に腸を酷使せずに済み、朝から胃もたれなくきちんと食べられて、自然な排泄リズムができる。朝一番にコップ1杯の水を飲むのも良い習慣。腸の活性化はもちろん、睡眠中の発汗で失われた水分も補給もできる。善玉菌を増やすには、食物繊維を意識的に摂ること。食事のときは野菜やキノコ類など繊維質から食べ始めると有効だ。

小林弘幸(こばやし・ひろゆき)順天堂大学医学部教授
1960年、埼玉県生まれ。92年、順天堂大学大学院医学研究科博士課程を修了後、ロンドン大学附属英国王立小児病院外科などの勤務を経て帰国。順天堂大学小児外科講師、助教授を歴任後、現職。自律神経研究の第一人者としてアスリートや芸能人のアドバイザーを務めるほか、TV出演などメディアでも活躍中。著書に、『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』(サンマーク出版)、『一流の人をつくる整える習慣』(KADOKAWA)など多数。(『THE21オンライン』2018年8月号より)

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