平安健康医療科技(01833、香港メインボード)は、スマホアプリ「平安好医生」を通して、オンライン医療サービスを提供している会社だ。設立は2014年8月、本社は上海市にある。

目次

  1. インターネット医療サービスのパイオニア
  2. 平安健康医療科技の業績推移、部門別業績、各部門概要
    1. ファミリードクター・サービス
    2. 消費者ヘルスケア
    3. ネット通販
    4. 健康管理サービス
  3. 規模拡大を全力で追及、赤字が続く
  4. AI医療サービスには大きな可能性がある
  5. 課題は「マネタイズ」、確固たる方法が見つかっておらず
  6. 現在の株価水準は公募価格よりも3割以上安い

インターネット医療サービスのパイオニア

中国株,テンバガー
(画像=ZUU online)

同社の事業内容を理解する上で、まず、把握しておかなければならないのは、経営者である王涛会長の経歴である。1968年生まれの王涛会長は南京大学でコンピューターソフトを学んだ後に渡米、1993年にテキサス州立大学で修士号を取得した。テキサスMaxsev社を経て、1996年マイクロソフトに入社、Windows Media, Windows CEの開発に参加した。

2000年に帰国すると創維電脳科技(深セン)のCEO兼総裁に就任、2002年6月には金山の副総裁として入社、雷軍氏とともに、国内初の大型オンラインゲーム「剣侠情縁online」の開発に従事した。

2004年11月にはアリババグループに入社、技術担当副総裁兼アリババソフト総経理に就任。アリババB2B、淘宝、支付宝の技術、運営、維持のためのプラットフォームを立ち上げた。また、中国最大のSaaS(software as a service)を提供する企業であるアリババソフトを立ち上げた。

2009年にアリババを退職、2013年に平安健康険に入社、平安グッドドクターの開発に参画。2014年8月、同社の前身である平安健康インターネットが設立され、会長に就任した。同社は会長のほか、3名の主要幹部が実質的な経営陣であるが、いずれも元アリババグループの主要幹部であった人物である。

同社の親会社は中国平安保険(02318)である。生命保険、損害保険では業界第二位であり、銀行、証券、資産運用会社などを持つ総合金融グループである。親会社が持つ顧客網、医療機関との結びつき、銀行業務などを背景に、アリババのSaaSを開発した技術者幹部が中心となって、業界に先駆けてインターネット医療サービスプラットフォームを作り上げた。それが同社である。