ゴールドカードはステータスの証だが、カード会社によって審査の難易度や利用限度額、特典などはかなり異なる。ここでは、ゴールドカードの基礎知識とともに選び方、具体的なカードについて紹介しよう。

年会費は実質無料から3万円超までと幅広い

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(画像=AfricaStudio/Shutterstock.com)

クレジットカードのランクで普通(一般)カードの上位にあたるのがゴールドカードだ。同じカード会社であれば普通カードよりも審査の難易度が高く、その分、利用限度額も高く設定される傾向がある。

ただし、現在はゴールド以上の上位カードとして、プラチナカードやブラックカードが発行されていることもあり、ゴールドカードといっても審査難易度や利用限度額は普通カードと比べてそこまで高くはないといわれる。

年会費については、条件を満たすことで無料になるものから、3万円を超えるものまである。端的にいえば、年会費2,000円のゴールドカードなら2,000円なりの、1万円のゴールドカードなら1万円なりのサービスになると考えればよいだろう。

審査難易度や利用限度額はさほど高くない?

ゴールドカードの審査難易度についてはカード会社によって大きく異なってくるが、安定した収入があれば高年収でなくてもパスできるといわれている。

とはいえ、年会費の高いカードでは、やはりパートよりは正社員のほうが審査において有利だろう。同じカード会社の一般カードで過去の利用実績があれば、それもプラスに働く。もちろん、延滞などないことが条件だ。

ただし、審査のハードルがさほど高くない分、ゴールドカードとはいえ、利用限度額についてはあまり大きな額は期待できない。これもまたカード会社によって異なってくるので一様にはいえないが、あくまで収入に応じた額になるのが基本であり、普通カードと比べて特段に高くなるわけでない。

空港ラウンジ無料利用はゴールドカード特有のサービス

ゴールドカード特有のサービス・特典として一般的なのが、空港ラウンジを無料利用できるサービスだ。国内主要28空港と海外2空港(韓国・仁川/ハワイ・ホノルル)を対象とするものが多い。カード会社によっては同伴者1名まで無料というところもある。

そのほか、レストラン、ホテル、ゴルフ場を優待価格で利用できる特典や、旅行傷害保険、ショッピング保険の補償金額が高めに設定されていることも多い。また、クレジット支払いによって貯まるポイントが、普通カードよりも多く付与されるゴールドカードもある。

それらのサービス・特典も踏まえ、代表的なゴールドカードを5つ紹介しよう。

楽天市場で還元率5%、空港ラウンジも年2回使える「楽天ゴールドカード」

リーズナブルにゴールドカードを持つことができ、日常的な利用でも得したいなら、年会費2,160円(税込)で、国際ブランドをMasterCard、Visa、JCBから選べる楽天ゴールドカードが便利だ。年会費は安くても、国内28空港・海外2空港の空港ラウンジを年間2回まで無料で使えるなどゴールドカードらしい特典が受けられるカードだ。

このカードではクレジット支払い100円につき1ポイント(1円相当)の楽天スーパーポイントが付与され、楽天市場での利用では最大5倍のポイントアップとなる。普通カードにあたる楽天カードでは最大3倍なので、それと比べて2倍分のポイントが貯まることになる。

なお、最高2,000万円の海外旅行傷害保険が付帯するが、楽天カードにも同額の保険が付帯するため、これに関してはゴールドカードで得する特典とはいえない。

安い年会費で空港ラウンジ・国内渡航便遅延保険も付帯「MUFGカード ゴールド」

小売・流通系のゴールドカードでは見た目的にイマイチという人におすすめなのが、年会費1,905円(税別)で作ることができ、国際ブランドをMasterCard、Visa、JCBから選べるMUFGカード ゴールドだ。このカードは、自動リボ払いサービス「楽Pay」でのリボ払い手数料が年間で1度でも発生すると翌年度の年会費が半額の1,028円(税込)となる。なお、初年度は年会費無料だ。

このカードの空港ラウンジサービスは、ほかと少し違っており海外渡航で国際線を利用する際に国内主要6空港とハワイ・ホノルルの空港のラウンジを無料で利用できる仕組みになっている。

付帯保険に関しては、最高2,000万円の海外・国内旅行傷害保険と年間限度額100万円のショッピング保険のほか、航空便の遅延にともなって負担した費用を補償する最高2万円の国内渡航便遅延保険の付帯など、比較的充実した内容となっている。

条件を満たすと年会費永年無料になる「エポスゴールドカード」

とにかく安くゴールドカードを持ちたいなら、マルイなどで使えるエポスゴールドカードもいいだろう。国際ブランドはVisaで、通常年会費として5,000円がかかるが、カード会社からのインビテーション(招待)で作った場合は年会費が無料になる。また、年間のクレジット支払い額が50万円以上だと、翌年以降年会費が永年無料になる。

実質年会費無料といってもいいゴールドカードだが、国内19空港・海外2空港の空港ラウンジを無料で利用できるなど、ゴールドカードらしい特典もしっかりついている。

また、最高1,000万円の海外旅行傷害保険が付帯するほか、Visaの提供するゴールドカード特典(国際線クローク優待・空港宅配優待・海外Wi-Fi優待・ホテル予約特典など)も利用可能だ。

ドコモで10%還元、海外旅行傷害保険最高1億円の「dカードGOLD」

ドコモユーザーなら注目しておきたいゴールドカードが、年会費1万円(税別)で、国際ブランドをMasterCardかVisaから選べるdカードGOLDだ。

1万円というとゴールドカードの年会費としてはそこそこの金額だが、ドコモユーザーであれば、携帯やドコモ光の利用料金1,000円(税別)ごとに100ポイント(100円相当)が貯まるので、それだけでも十分に元が取れる。たとえば、月に1万円(税別)の携帯利用があれば年間で1万2,000円相当のポイントが貯まることになる。

ゴールドカードらしい特典としては、全国28空港の空港ラウンジを無料で利用できるほか、海外最高1億円・国内最高5,000万円の旅行傷害保険、年間300万円限度のショッピング保険なども付帯する。また、ドコモ特有の保険として、携帯電話購入後に3年間最大10万円が補償される「ケータイ補償」も付帯する。

世界1,200ヵ所の空港ラウンジを利用「アメックス・ゴールドカード」

ゴールドカードらしい特典を十分に受けたいという人なら、アメックス(アメリカン・エキスプレス)のゴールドカードが便利だ。

アメックスは通常カードでも年会費1万2,000円(税別)がかかり他社ゴールドカードに匹敵するサービス・特典内容となっている。これがゴールドカードでは年会費は2万9,000円(税別)、サービス・特典は他社プラチナカードに匹敵する内容となる。

たとえば、空港ラウンジサービスでは、国内28空港・海外2空港の空港ラウンジを同伴者1名まで無料で利用できるほか、世界1,200ヵ所以上の空港ラウンジを利用できるサービス「プライオリティ・パス」に年会費無料で登録(通常99米ドル)でき、1回32米ドルの利用料は年間2回の利用まで無料となる。

また、付帯保険も充実しており、海外旅行傷害保険は最高1億円。旅行代金をこのカードで支払っていない場合にも保険は適用される(その場合は最高5,000万円となる)。そのほか、航空便遅延補償、年間最高500万円のショッピング保険、商品返品補償などのほか、急な病気などにより旅行やコンサートに行けなくなった場合のキャンセル費用などの損害を年間最高10万円まで補償するサービスも付帯する。

グルメ関連のサービスも充実しており、国内外約200店舗のレストランで所定のコースメニューを2名以上で予約すると、1名分のコース料理代が無料になる特典が特徴的だ。

ゴールドカード選びで大切なのはニーズと年会費のバランス

ここまで見てきたように、同じゴールドカードという名称でも、そのサービス・特典内容はさまざまだ。ここで紹介した以外にも多種多様なカードがあるので、いざゴールドカードを持とうとしても、選ぶのに迷ってしまうかもしれない。

そんな時は、年会費の安さだけに注目したり、逆に特典の豪華さだけに注目したりするのではなく、自分が必要とするサービス・特典と年会費とのバランスをよく考えたうえで、ライフスタイルに合ったカードを選ぶようにしたい。

文・モリソウイチロウ(ライター)/MONEY TIMES

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