収入複線化だけでなく、人生の選択肢も広がる!

副業,中野裕哲
(画像=THE21オンライン)

副業解禁時代が到来し、収入を増やす手段として副業を本格的に考えている人も多いだろう。ただ単純にもう一つ仕事を増やすという視点ではなく、定年後も続けられる仕事や、起業や独立が狙えるような仕事を選べば、収入複線化が図れるだけでなく、生き方の選択肢も広がる。多くの人の副業や起業の相談に乗っている起業コンサルタントの中野裕哲氏にアドバイスをいただいた。(取材・構成=西澤まどか)

副業で広がる視野は本業にも役立つ

今年1月に厚生労働省は、副業・兼業についてのガイドラインを発表しました。時代は今、副業を後押しする流れにあります。人生100年時代と言われる中、多くの人は定年退職後も働き続ける必要があります。会社の仕事以外にできる仕事を見つけるという意味でも、副業・兼業を考えることは当然のことと言えるでしょう。

しかし、これまでは副業が禁止の会社がほとんどでしたから、急に副業と言っても何をしたらいいのかわからないという人が大半でしょう。自分に合う副業を探す方法としては、まずは興味のあること、好きなことをやってみる、というスタンスで良いと思います。その理由は、副業は収入複線化の手段であるだけでなく、結果的に自分の視野を広げ、本業にも役立つ勉強としても役立つからです。

具体例として私自身の経験をお話ししましょう。今は起業コンサルタントとして独立していますが、会社員時代にたくさんの副業を経験しました。

不要品をネットオークションで売ることから始め、中古品を仕入れて転売。ミステリーショッパーも経験しました。一般客のふりをして飲食店を訪れて、その店のレポートを書く仕事です。ただの小遣い稼ぎと思われるかもしれませんし、実際にその側面はありましたが、これらの副業で得た経験はすべて今のビジネスにも生きています。

たとえばネットオークションでは、ずらりと並ぶ商品の中から注目してもらい、入札してもらわなければ、商品を売ることはできません。そのためには、限られた文字数で出品した商品の魅力を最大限に表現するキャッチや文章を書く必要があります。これは、文章を書く訓練になりました。

また、ミステリーショッパーでは、評価のポイントごとに飲食店を注意深く観察する必要がありましたので、続けているうちに「繁盛する飲食店」の特徴がわかってきました。面積あたりの客席数、スタッフの数、メニューの単価、サービスの質など、今でも外食すると思わずチェックしてしまうクセがついています。今の仕事では飲食店を経営したい人の相談に乗ることも多く、このとき養った視点が大変役に立っています。

このように、副業の経験は単なる小遣い稼ぎではなく、本業に役立つ経験にもなり得るのです。

40代にお勧めなのはスキルを活かした副業

副業には、さまざまなジャンルがあります。先述した転売やミステリーショッパーなどは、スキマ時間を活かした例と言えるでしょう。その他、趣味を生かした仕事、将来自分の店を持つための飲食店での修業なども聞きます。

中でもビジネスパーソンの皆さんにお勧めなのは、「自分のスキルを活かした副業」です。先ほど、副業で視野を広げるというお話をしましたが、それに加えて、持てるスキルを活用して活躍の舞台を増やすのも、副業の醍醐味です。

具体的には、メルマガなどで情報発信をすること。あるいはセミナー講師など、自分のノウハウを「教える」系の仕事もあります。

たとえば、IT企業に勤めながら、新しいITサービスを評価するウェブライターを副業としている人がいます。本業の知識を活かして、世間に役立つ情報を発信している一例です。

さらに、これは特殊な例かもしれませんが、出版社に勤める名物編集者が、自分のファンクラブのような会員制コミュニティを作っている例もあります。ファンから会費を募り、情報発信やイベントを開催しているそうです。