現金払いでは得られないクレジットカードのメリットの1つが、支払い金額に応じてポイントが貯まる点だ。ポイント還元率の高いカードほど、当然メリットも大きくなる。ポイントが貯まりやすいクレジットカード、選び方、より効率よい貯め方も含め紹介する。
可能なものはすべてクレジット払いで
周知の通り、クレジットカードのポイントは支払い額に応じて貯まる。貯まったポイントは、新たな支払いに充当したり、カード利用金額からポイント分を差し引いたり、あるいは電子マネー、他社ポイント・マイル、ギフト券、クーポン券、商品などに交換できる。
「カードショッピングでポイントが貯まる」と説明しているカード会社もあるが、ショッピングでなくとも公共料金や家賃の支払いでもポイントは貯まる。一部例外はあるが、基本的にはキャッシング以外の利用でポイントが貯まるということだ。そこで、ショッピングだけでなく、クレジット可能なものはすべてカードで支払うことで、効率よくポイントを貯めることができる。
スーパーやコンビニの支払いでクレジットカードを使用するのは面倒に思えるが、最近ではサインや暗証番号入力が必要ないサインレス決済も普及しつつある。ポイントを貯めることを考えるなら可能な限りクレジット支払いを選択したいところだ。また、電子マネーへのチャージでもポイントが貯まるクレジットカードなら、スーパーやコンビニでは電子マネーで支払い、チャージすることによりポイントを貯めるという方法もある。
ポイント還元率は新興カード会社のほうが高め
では、ポイントの貯まりやすいクレジットカードにはどのような特徴があるのか。見分け方の目安としては、ポイント還元率0.5%のカードを基準に還元率1%となると高還元の部類に入ると覚えておけばよい。さらに、それを超える還元率なら超高還元カードとなる。
0コンマ単位の差ならたいしたことはないように思えるが、年間200万円のクレジット利用を想定した場合、還元率0.5%のカードだと年間1万円相当のポイントが貯まるところ、還元率1%のカードなら2万円相当のポイントが貯まることになる。これが10年間続いたなら10万円もの差が出てくることになる。
カード会社によっては還元率が明記されていないこともあるが、その場合は、クレジット支払いによるポイント獲得率と、そのポイントがどれくらいの価値のあるものに交換可能なのかを検討して還元率を割り出せる。
一般的にポイント還元率は、銀行が発行するカードは低め、信販会社発行のカードは低めと高めが混在、小売・流通企業が発行するカードは自社店舗では高くなるものが多い。また、大手カード会社は低め、新興カード会社は高めといった傾向もあるので参考にしてほしい。
以下、ポイント還元率がよいとされているカードを5つ紹介する。
通常1.25%還元、ポイントサイト経由で1.75%以上「REXカード」
ジャックスが発行するREXカードは年会費無料で、ポイント還元率が1.25%という業界最高レベルを誇るクレジットカードだ。国際ブランドはVisaかMasterCardから選べるので海外での利用時にも心強い。
ポイント(REX POINT)は、月間クレジット支払い額の合計金額2,000円ごとに25ポイントが貯まり、1,500ポイントごとに1,500円分のJデポに交換可能だ。Jデポとはカード利用金額からその分を差し引いて請求する仕組みのこと。1,500ポイントまで貯まらないと交換できない点には注意が必要だが、REX POINTの有効期間は獲得月より2年間なので、普通に使ってポイントを貯めていけば、せっかく貯めたポイントが失効することはないだろう。
REX POINTは1,500ポイントごとにANAマイル300マイル(300円相当)に交換することも可能だ。しかし、Jデポに交換する場合と比べて5分の1の価値にしかならないので、マイルへの交換にはメリットがない。クレジットカードのポイントを考えるときには、交換先によってこのように還元率が変わってくることも念頭に置いておきたい。
REX POINTを効率的に貯めるコツ
なお、ジャックスのポイントサイト「JACCSモール」を経由してAmazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのネットショップ・モールを利用すると1.75%以上にポイントがアップされる(ショップによりポイントアップ率は異なる)。たとえば、ここに挙げた3つのショップ・モールでは0.5%分のJデポが貯まり、実質的な還元率は1.75%となる。
このカードに限らないが、クレジットカードのポイントとは別にショップ独自のポイントがあればそれも含め二重に貯まることになる。楽天市場では購入100円につき1ポイントが貯まるので、REXカードを使ってJACCSモール経由で楽天市場を利用した場合、すべてのポイントを合わせて2.75%の還元率ということになる。
通常1.25%還元、nanacoのチャージでも貯まる「リーダーズカード」
ジャックスが発行するもう1つの高還元カードがReader's Card(リーダーズカード)だ。国際ブランドがMasterCardとなるこのカードは初年度年会費無料で、次年度からは年会費として2,500円(税別)が必要だが、年間のクレジット支払い額の合計が30万円以上の場合、次年度も無料となる。日常的にカード払いを利用していれば実質年会費無料と考えていいだろう。
Reader's CardカードもREXカードと同じく基本の還元率は1.25%だが、貯まり方や交換の仕方が少し異なる。具体的には1,000円の利用ごとにReader's Cardポイントが11ポイント貯まり、1,400ポイント単位でJデポ1,600円分に交換できるため、その場合の実質還元率は1.25%をわずかに上回る形となる。さらに、先に触れた「JACCSモール」を経由してネットショッピングすると1.75%以上にポイントがアップする。
REXカードとの違い
REXカードとの違いは、クレジットカードから電子マネーnanacoへチャージした場合にもポイントが貯まることだ。1,000円の利用につき3ポイント(還元率約0.34%)と、そこまで還元率が高いわけではないが、REXカードではnanacoへのチャージではポイントが貯まらない。そのため、nanacoをよく使う人ならReader's Cardのほうがポイントが貯まりやすい。
もう1つの違いは、Reader's Cardの利用で貯まるReader's Card ポイントはJデポのほか共通ポイントのG-Pointにも、1,400ポイント(Reader's Card ポイント)→1,600ポイント(G-Point)のレートで交換できることだ。G-Pointは1ポイント→1円として、nanacoポイントのほか、Tポイント、WAONポイント、Amazonギフト券などに交換できるので、使い道がかなり広がることになる。
また、ANAマイルに交換する場合にも、G-Pointなら1,400ポイント→960マイルのレートとなり、REXポイントよりもかなり還元率が高くなる。
AmazonやYahoo!ショッピングで2%還元「オリコカード ザ ポイント」
ネットショッピングをひんぱんに利用する人におすすめなのが、年会費無料で、国際ブランドをMasterCardかJCBから選べるOrico Card THE POINT(オリコカード ザ ポイント)だ。
クレジット支払い100円につき1ポイントのオリコポイントが貯まる(還元率1%)のを基本として、ポイントサイト「オリコモール」を経由したネットショッピングでは特別加算として0.5%のポイントアップがある。また、ショップ・モールごとに0.5%の加算もある。たとえば、AmazonやYahoo!ショッピングなら0.5%が加算され、合計で2%の還元率となる。
なお、このカードには後払い型の2種の電子マネー「iD」「QUICPay」が搭載され、それらの利用分についてもポイントが貯まる。貯めたポイントは500ポイントから、Amazonギフト券やWAONポイント、Tポイント、楽天スーパーポイントなどへ1ポイント→1円のレートで交換できるので、使い道に困ることはまずないだろう。
ビックカメラで11.5%還元になる「ビックカメラSuicaカード」
JR東日本のSuicaを使っていて、かつ定期的にビックカメラでの購入がある人の場合はビックカメラSuicaカードがポイントが貯まりやすい。このカードは国際ブランドをVisaかJCBから選べ、初年度年会費は無料。2年目以降は477円(税別)の年会費が必要だが、年間1回でもクレジット支払いがあると次年度も年会費無料となる。実質、年会費無料のカードと考えていいだろう。
このカードではクレジット支払い1,000円(税込)につきビックカメラでの支払いに使えるビックポイントが5ポイント(5円相当)と、Suicaにチャージしたり駅ビル店舗で使えるJRE POINTが5ポイント(5円相当)が貯まり、合わせて1%の還元率となる。
これだけでも十分高還元カードといえるが、定期券の購入やSuicaへのオートチャージではJRE POINTが3倍付けの1.5%となり、ビックポイントと合わせると2%の超高還元となる。
Suicaをうまく利用してポイントを貯める
また、ビックカメラの店舗では現金購入により基本10%分のビックポイントが貯まる。クレジット支払いではポイント付与率がそれより低くなるが、このカードでSuicaへチャージしたうえで、Suicaで支払うと現金払いと同じ10%分のポイントが貯まる。そこへSuicaにチャージした時の1.5%分のポイントを合わせると11.5%となり、現金購入よりも高い還元率となる。
貯めたJRE POINTは1,000ポイント→1,000ビックポイントとして交換可能なほか、ビックカメラのポイントを1,500ポイント→Suica1,000円分としてチャージすることも可能だ。レート的には前者のほうが得なので、2つのポイントを合わせたいならビックポイント側にまとめたほうがよいだろう。
ローソンで実質最大5%還元「dカード」
ドコモが発行するdカードは国際ブランドをVisaかJCBから選べ、初年度年会費は無料。2年目以降は1,250円(税別)の年会費が必要だが、年間1回でもクレジット支払いがあると次年度も年会費無料となるので、やはり実質的に年会費無料と考えていい。
貯まるポイントはdポイントで、クレジット支払い100円(税込)ごとに1ポイント(1円相当)が貯まるほか、ドコモの携帯電話料金やドコモ光の利用料金1,000円(税抜)ごとに10ポイントが貯まる。
ただ、携帯電話料金などの支払いでポイントが貯まるのはほかのクレジットカードでも同じことで、むしろこのカードの最大のメリットはローソンで最大5%も得になることだ。その内訳は、dカードの提示による1%分、dカード決済による1%分、さらに、dカード決済による3%オフがそこに加わる。一部商品には3%オフが適用されないが、それでもなお2%の超高還元となるので、ローソンをよく使う人ならポイントが貯まりやすい。
ゴールドカードのほうがポイント的に得になることも
各カード会社では年会費が無料か安く設定されている一般カードとは別に、年会費がそれより高いゴールドカードなど上位カードが設けられていて、そちらでは一般カードよりもポイント還元率が高いことがある。
年間のクレジット利用総額次第では、年会費の差額を計算に入れても、上位カードのほうがポイント的にお得ということもあるので、普段の使い方を考慮してよく検討してみたいところだ。
文・モリソウイチロウ(ライター)/MONEY TIMES
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