MBAは、「Master of Business Administration」の略で、経営学修士と訳されています。一般に「ビジネススクール」とよばれている経営学の大学院修士課程を修了した人に与えられる学位なのですが、そこでの狙いが研究者の育成ではなく、実際のビジネスシーンにおけるスキルアップを目的としていることが大きな特徴です。
MBA取得のメリット
MBAを提供するビジネススクールで学ぶ内容は、マーケティングにはじまり、アカウンティング、ファイナンス、経済学、ビジネスプラン、経営戦略、人事戦略など、広範なビジネスシーンにおよびます。これらすべてのクラスに合格することによって、MBAの学位を手にすることができるわけです。
MBAはあくまでもビジネスの学位であるため、弁護士や公認会計士などの資格とは違って、仕事上の必須条件というわけではありません。それでもビジネスマンは、世界中のビジネスエリートと共通言語で話をすることができるよう、決して安くない授業料を支払い、MBA取得を目指します。
学校を通じて知り合った人と仕事を通じて知り合った人とでは、親密度に大きな違いが生じます。学校では、お互い特に利害関係が無い状態のため、屈託なく意見を述べ合うことができます。こうした関係が、ビジネスパーソンとなった後にも、常に協力し合える関係を構築します。
さらにMBA取得の過程において、必然的に英語の語学力がアップすることも、見逃せないメリットだと考えられます。よく「英語は世界の共通語」といいますが、英文ビジネス雑誌や英字新聞など、世界の最新情報を英語でインプットし、多くの外国人ビジネスマンに英語でアウトプットする必要に迫られることにより、国際的なビジネス感覚が養われるのです。
いくつもあるMBAランキング
では、世界で高く評価されているMBAは、どのビジネススクールのものなのでしょうか。実はMBAのランキングは、US NewsやThe Economistなど、新聞・雑誌系を中心にいくつもの機関によって発表されています。
その中で「平均給与」や「MBAを取得する前後の給与の上昇率」など、自己投資や自己実現を給与に直結させたい受講生にとって参考になる評価基準を用いているのは、Financial Times(FT)の「Global MBA Ranking」でしょう。
FTはイギリスで発行されている日刊の経済誌で、2015年には日本経済新聞社の傘下に入ったことでも知られています。本社はロンドンにあるのですが、発行部数はイギリス国外の方が多く、サーモンピンクの紙面からきた「ピンク・ペーパー」という愛称で、世界中の読者に親しまれています。
世界のMBAランキング ベスト10
それでは「FT Global MBA Ranking 2017」から、「世界のMBAランキング ベスト10」を見てみることにしましょう。なお、各校の末尾に示されている比率は、MBA修得前に比べて修得後に給与が上昇した割合です。
1位 Insead (前年順位 1位)
インシアード(フランス/シンガポール) 95%
2位 Stanford Graduate School of Business (前年順位 5位)
スタンフォード大学経営大学院(アメリカ) 93%
3位 University of Pennsylvania : Wharton (前年順位 4位)
ペンシルバニア大学:ウォールトン(アメリカ) 92%
4位 Harvard Business School (前年順位 2位)
ハーバードビジネススクール(アメリカ) 97%
5位 University of Cambridge : Judge (前年順位 10位)
ケンブリッジ大学:法科(イギリス) 107%
6位 London Business School (前年順位 3位)
ロンドンビジネススクール(イギリス) 92%
7位 Columbia Business School (前年順位 6位)
コロンビアビジネススクール(アメリカ) 103%
8位 IE Business School (前年順位 12位)
IEビジネススクール(スペイン) 108%
9位 University of Chicago : Booth (前年順位 8位)
シカゴ大学 : ブース (アメリカ) 110%
10位 Iese Business School (前年順位 16位)
イエセビジネススクール(スペイン) 133%
ベスト10のうち5校をアメリカが占め、イギリスとスペインがそれぞれ2校とランクインしています。1位になったインシアードは、フランスとシンガポールの2つのキャンパス、幅広い卒業生の強力なネットワークが特徴です。特に同校の国際性は、高い評価を得ています。また、給与の上昇率でトップだったのは、総合順位97位のイパデビジネススクール(メキシコ)の180%でした。
MBAは、その取得の難しさはもとより、同窓生の人脈が世界のビジネス界に広がることまでを考えれば、「ビジネスエリートのパスポート」とよばれることも納得がいくのではないでしょうか。さらなるキャリアアップを求めるビジネスマンにとって、MBAは大きな強みとなります。(提供:J.Score Style)
【オススメ記事 J.Score Style】
・キャッシュレスが進めばどのような未来が訪れるのか?
・スタバが仮想通貨!?スターバックスが取り組むブロックチェーンの活用法
・ビジネスパーソンが、「ジョブ理論」で、生き抜くためのヒントとは?
・日々の目標を「小さな習慣」にする3つのコツ
・世界ではここまで進んでいる!最新のフィンテックアプリ3選