株取引を始めるには、証券会社に口座(総合証券口座)を開く必要がある。初心者は、どの証券会社を選べばいいか分からないことも多いだろう。初心者が証券会社を選ぶ際は、手数料が安いネット証券がいいかもしれない。初心者がネット証券を選ぶときに確認したい3つのことを紹介しよう。

確認したいこと1:自分が取引したい商品を扱っているか(国内株式、単元未満株、外国株式など)

ネット証券,株
(画像=Anna The One 56/Shutterstock.com)

ネット証券を選ぶうえで、最初に確認したいのが取扱商品だ。証券会社が扱う商品は、国内株式、単元未満株、外国株式、投資信託、国内債券、外国債券などがある。証券会社によって取扱商品が異なるため、自分が取引したい商品を扱っている証券会社を選ぶ必要がある。

国内株式であれば、国内のほとんどの証券会社が取り扱っている。国内の上場企業の多くは東証(東京証券取引所)に上場しており、ほとんどの証券会社で東証に上場している株式の売買ができる。

単元未満株とは、通常の最低取引単位(100株など)よりも少ない株数で取引できる株だ。投資を数万円程度の比較的少額から始めるなら、単元未満株の取り扱いを確認しておきたい。投資資金が十分にある場合でも、最初は少額投資から始めるなら単元未満株を活用できる。単元未満株の売買ができる主なネット証券はSBI証券、岡三オンライン証券、カブドットコム証券、マネックス証券だ。

外国株式は、取り扱いのない証券会社もある。主なネット証券で外国株式を取り扱うのは、SBI証券、DMM株、マネックス証券、楽天証券である。また、証券会社によって取り扱う外国株式の国に違いがある。それらのネット証券が扱う外国株式の国は以下の通りだ。

SBI証券:米国、中国、韓国、ロシア、ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア
DMM株:米国
マネックス証券:米国、中国
楽天証券:米国、中国、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア

外国株式のうち、最も一般的なのは米国株式である。米国株式の取り扱い銘柄数は、証券会社によって異なる。ネット証券のなかではマネックス証券が取り扱い銘柄数が多く、3,000を超える米国株式の取り扱いがある。

確認したいこと2:金融商品の売買手数料はいくらか

金融商品の売買では、手数料を確認しておきたい。手数料の差が小さくても、売買を繰り返すことで大きな差となる。

株式やETF(上場投資信託)などの売買では、ほとんどの場合手数料が必要になる。一般的に手数料は、店舗型証券よりもネット証券のほうが圧倒的に安い。初心者が口座を開くなら、ネット証券でのスタートを勧めたい。

ネット証券各社の手数料には差があり、口座開設前に手数料を比較しておくこといい。株式の売買では、約定(売買が成立すること)金額によって手数料が変わることが多い。

手数料は大きく分けて、約定ごとに手数料がかかるプラン(以下、「約定ごとプラン」と表す)と、一日の約定代金合計で手数料がかかるプラン(以下、「一日定額プラン」と表す)がある。

一日定額プランでは、SBI証券や楽天証券、松井証券は一日の約定代金合計が10万円まで、岡三オンライン証券は20万円まで手数料が無料だ。

参考として、10万円以下の「株式の現物取引」をする場合の主なネット証券の手数料を比較する(手数料は税込)。

約定ごとプラン10万円まで/一日定額プラン10万円まで

SBI証券…… 97円/0円
岡三オンライン証券……106円/0円(定額20万円まで同手数料)
カブドットコム証券……97円/一日定額プランなし
GMOクリック証券……95円/230円(定額20万円まで同手数料)
DMM.com証券……86円/一日定額プランなし
松井証券……約定ごとプランなし/0円
マネックス証券……108円/2,700円(定額300万円まで同手数料)
ライブスター証券……86円/432円(定額50万円まで同手数料)
楽天証券……97円/0円

株式の取引には、現物取引以外に「信用取引」もある。信用取引の手数料は現物取引よりも安いことが多い。ただし、信用取引では手数料以外に金利などがかかる。信用取引をするには、証券会社に総合証券口座を開いた後に「信用口座」を申し込み、審査に通らなければならない。信用取引は、現物取引を経験してから検討したい。

確認したいこと3:投資に関する情報コンテンツは充実しているか

証券会社は、投資に関する情報を提供している。情報コンテンツは、証券会社のアナリストや外部機関によるレポート、株式新聞などのニュースなど様々だ。

証券会社のアナリストによるレポートは、多くの証券会社で見ることができる。外部機関の情報コンテンツのうち、参照できるものは証券会社によって異なる。主なネット証券にて、無料で参照できる外部機関のニュースやレポートは以下の通りだ。

SBI証券……トムソン・ロイター、フィスコ、株式新聞(モーニングスター)など
岡三オンライン証券……トムソン・ロイター、時事通信など
カブドットコム証券:……トムソン・ロイター、株式新聞(モーニングスター)など
GMOクリック証券……ダウ・ジョーンズなど
DMM.com証券……トムソン・ロイターなど
松井証券……QUICKリサーチネットなど
マネックス証券……時事通信、フィスコなど
ライブスター証券……みんかぶなど
楽天証券……日経テレコン(楽天証券版)、トムソン・ロイター、フィスコなど

現在利用している証券会社の情報コンテンツに満足できない場合は、他の証券会社にも口座を開き、情報コンテンツを比較してみるのもいいだろう。

また、初心者におすすめしたいのが、金融商品取引に関する様々なことを学習できる動画コンテンツだ。主なネット証券が、以下の名称で動画コンテンツを公開している。

SBI証券……オンラインセミナー
岡三オンライン証券……セミナー
カブドットコム証券……kabu.studio(カブスタジオ)
松井証券……セミナー
マネックス証券……マネックスオンデマンド
楽天証券……勉強会ビデオ再放送

なかでも松井証券は、凄腕デイトレーダーをゲストに招いた動画など、興味深いコンテンツを配信している。

これらの動画コンテンツは、証券会社に口座を持っていなくても視聴できるものが多い。自分に役立ちそうな動画があるか、いろいろな証券会社のホームページを確認してみるといいだろう。動画コンテンツをきっかけに、自分が好きな証券会社が見つかるかもしれない。

初心者が証券会社を選ぶときに確認したい3つのことを紹介してきた。株取引にはIPO(新規公開株)投資などもあり、証券会社選びの際に考慮するのもいいだろう。なお、利益が非課税になるNISA(つみたてNISA)は、1人1口座に限られている。NISA口座を開設する際は計画的に行いたい。

文・松本雄一(ビジネス・金融アドバイザー)/MONEY TIMES

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