【目次】
①リックソフトIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【2/4更新】 ※一部有料会員限定
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【2/12更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- リックソフト株式会社
- コード
- 4429
- 市場
- マザーズ
- 業種
- 情報・通信業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 大貫 浩 /1970年生
- 本店所在地
- 東京都千代田区大手町二丁目1番1号 大手町野村ビル8階
- 設立年
- 2005年
- 従業員数
- 69人 (2018/12/31現在)(平均38.5歳、年収533.6万円)、連結69人
- 事業内容
- ソフトウェアのライセンス販売と導入支援ならびに、クラウドサービス・トレーニングの提供、ソフトウェア開発等
- URL
- https://www.ricksoft.jp/
- 株主数
- 6人 (目論見書より)
- 資本金
- 95,050,000円 (2019/01/22現在)
- 上場時発行済み株数
- 2,063,900株(別に潜在株式190,000株)
- 公開株数
- 294,400株(公募76,900株、売り出し179,100株、オーバーアロットメント38,400株)
- 調達資金使途
- エンジニアの採用・人件費、研究開発費、システム投資資金、米国での広告宣伝費
- 連結会社
- 1社
- スケジュール
- 仮条件決定:2019/02/07→3,840~4,000円に決定
- ブックビルディング期間:2019/02/08 - 02/15
- 公開価格決定:2019/02/18→4,000円に決定
- 申込期間:2019/02/19 - 02/22
- 払込期日:2019/02/25
- 上場日:2019/02/26→初値9,050円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:大和証券
- 引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:いちよし証券
- 引受証券:水戸証券
- 大株主
- HS(株) 1,000,000株 45.93%
- 大貫 浩 380,000株 17.46%
- NVCC7号投資事業有限責任組合 257,000株 11.81%
- 神山 直規 180,000株 8.27%
- ニッセイ・キャピタル6号投資事業有限責任組合 160,000株 7.35%
- 山本 隆一 100,000株 4.59%
- 服部 典生 100,000株 4.59%
- 業績動向(単位:百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
- 2017/02 連結実績 764 60 84 60
- 2018/02 連結実績 1,728 130 129 93
- 2018/11 連結3Q累計実績 1,763 244 266 177
- ロックアップ情報
- 大貫浩、HS株式会社、NVCC7号投資事業有限責任組合、ニッセイ・キャピタル6号投資事業有限責任組合、山本隆一、服部典生は上場後90日目の平成31年5月26日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 11億7760万0000円(294,400株×4,000円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 190,000株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
-
リックソフト<4429>は海外ソフトウェアメーカーAtlassian Pty Ltd.などか開発したソフトウェアの、ライセンス販売及び導入支援を行っている。
主にプロジェクト管理システムを提供しており、小規模案件から大規模案件まで、幅広い対象にサービスを提供している。
■事業内容
同社はユーザーの調査・分析から設計・構築・稼働・運用に至る一連のサービスを提供する「ソリューション事業」を主な事業領域としている。
具体的にはプロジェクト管理システム領域において、海外のAtlassian社ソフトウェアの導入支援を行っている。ユーザーの課題解決のために提案からライセンス販売、コンサルタントとしてのプロジェクト参画やSI、研修、運用支援(ヘルプデスクによる問い合わせ対応等)まで包括的に行っている
Atlassian社のソフトは主にプロジェクト管理システムに用いられている。Atlassian社は自社ソフトウェアを取り扱うパートナーに対して技術認定試験を行っているが、同社は最高位ランクのプラチナパートナーを取得しており、アジアパシフィックでは最上位に位置する企業である。
同社の顧客は多数のプロジェクトを管理する必要があり、プロジェクト管理ツールに予算を割く事ができる大企業中心である。同社の技術力に加えて、これまでの豊富な導入実績やノウハウが、国内の他のAtlassian社パートナー企業との差別化要因となっている。
尚、Atlassian社はオーストラリアのシドニーに本社を置くソフトウェア企業である。Atlassian社の親会社Atlassian Corporation Plc<TEAM>は2015年12月10日にNASDAQに上場している。
■サービス内容
同社が提供するサービスは下記の4つに分類できる。
① ライセンス&SIサービス
主にAtlassian社のソフトウェアの導入支援を行い、ユーザーの課題解決のために提案からライセンス販売、コンサルタントとしてのプロジェクト参画やSI、研修、運用支援(ヘルプデスクによる問い合わせ対応等)まで包括的に行うもの。
② クラウドサービス
顧客に対して、同社取り扱い製品の稼働環境として、クラウド環境提供を行うもの。クラウドサービスを利用の顧客からは、ライセンス料に加えてクラウド上の運用代行費用を受領しており、利用開始後は毎月の売上計上を行っている。
③ ソフトウェア製品開発
Atlassian社の主力製品であるJiraやConfluenceに拡張機能をアドオン製品として自社開発し、Atlassian Marketplaceにて販売を行っている。
収益モデルとしては、製品毎の標準価格で販売し、翌年以降に更新された際に、毎年一定の更新料を受領している。よってシステムの継続的な利用先からは、継続収入が期待できるビジネスモデルである。尚、Atlassian Marketplaceの使用料として、Atlassin社に対して販売価格の25%の手数料を支払っている。
■業績推移
2016年6月期 売上高9.2億円、経常利益0.7億円、当期純利益0.6億円
2017年2月期 売上高7.6億円、経常利益0.8億円、当期純利益0.6億円
2018年2月期 売上高17億円、経常利益1.3億円、当期純利益0.9億円
2019年2月期(予想) 売上高23億円、経常利益2.8億円、当期純利益1.9億円
人手不足を背景に業務プロセスの効率化が求められており、プロジェクト管理システムに対するニーズが高まる中で、同社は成長を続けている。
2019年2月期は売上20億円、経常利益2億円、当期純利益1億円の大台達成の予想である。
2019年2月期はQ3までに売上高18億円、経常利益2.4億円まで進捗しており、通期予想の達成可能性は高い状態である。
■財務状況
2018年2月期末時点で資産合計8.0億円に対して、純資産合計4.5億円であり、自己資本比率は56%である。
借入金0.3億円に対して、現預金4.0億円を有しており、財務状態に対する懸念事項は見当たらない
■資金使途
IPOにより4.4億円の資金調達を行う計画である。調達資金については、
① システムエンジニア等の人員採用費 0.2億円
② 新規採用後の人件費 1.1億円
③ 既存製品改善及び新製品開発 0.9億円
④ 基幹システムにかかる設備投資資金 0.3億円
⑤ 本社増床にかかる費用 0.3億円
⑥ 米国子会社への投融資資金 0.5億円
上記を予定している。今後の成長に向け、幅広い対象に資金を投じる計画である。
■株主状況
合計7名義の株主より構成されている。筆頭株主のHS株式会社は大貫社長の資産管理会社である。HS社及び大貫社長の2名義で株主シェアの6割以上を保有しており、安定的な株主構成である。
またNVCC7号投資事業有限責任組合(株主シェア11.8%)、ニッセイ・キャピタル6号投資事業有限責任組合(同7.3%)の2名義がVC株主として存在。尚、両ファンドともに、IPO後90日もしくは株価1.5倍のロックアップ契約を締結している。
■今後の注目ポイント