テンセント・ミュージック・エンターテイメント・グループ(TME)は、テンセント傘下企業。QQ音楽、酷狗音楽、酷我音楽、全民カラオケといった中国4大オンラインミュージック系プラットフォーム(アプリケーション)を所有。これらを通して、オンラインミュージック、オンラインカラオケ、オンラインライブストリーミングなどのサービスを提供している。

同社の歴史は少々複雑である。テンセントは2003年、QQ内にオンラインミュージックサービスを立ち上げ、2005年にはそれをQQ音楽として一つのプラットフォームに独立させた。一方、酷狗音楽は2004年、酷我音楽は2005年にオンラインミュージックサービスの提供を開始。前者は広州酷狗計算機科技、後者は北京酷我科技によって運営されていた。

広州酷狗計算機科技は2012年に、オンラインライブストリーミングサービスを開始、テンセントは2014年に全民カラオケは立ち上げ、オンラインカラオケサービスの提供を始めた。

その後、テンセントは2012年6月、ケイマン諸島を本社とするCMCを設立。CMCは2013年12月に北京酷我科技、2014年4月には広州酷狗計算機科技を買収した。さらに、2016年6月、オンラインミュージック、カラオケ事業の資産をCMCに注入。CMCは2016年12月に社名を現在のテンセント・ミュージック・エンターテイメント・グループに変更した。

テンセントが、後から台頭してきた2つの業者を買収することで、この分野で圧倒的な力を持つ同社を作り上げている。

なお、同社のCEOは彭迦信氏。カナダのウォータールー大学に留学、数学、情報システムなどを学んだ後、帰国し、1996年からインターネット関連の開発などに従事した。テンセントには2008年に入社、ゲーム、EC取引、SNSなどの業務に携わった後、2016年7月、CEOに就任している。

目次

  1. 2016年以降の業績推移
  2. マネタイズの成功により業績は急拡大
  3. 同社の大きな強み 2000万曲をネット配信する権利を所有
  4. 素人歌手、素人DJが儲けられるシステムがコミュニティを活性化

2016年以降の業績推移

2016年以降の業績推移は以下の通り。

中国株
(画像=ZUU online)

2018年6月中間期における部門別売上比率をみると、音源提供からの収入であるオンラインミュージックサービスが29.6%であるのに対して、オンラインカラオケ、オンラインライブストリーミングからの収入であるソーシャルエンターテイメントサービスが70.4%を占める。

中国株
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4半期ベースにおけるそれぞれの部門のモバイルMAU、顧客、顧客/ユーザー比率は以下の通り。

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(画像=ZUU online)

マネタイズの成功により業績は急拡大