今シーズンの注目企業の決算報告は大方終わり、投資家は再び米中間の貿易協議をはじめとするマクロ懸念に注目が移っている。しかし、市場の行方を決めるような企業の決算が今週にある。

ウォールストリート紙は先週金曜日に、米中間の貿易協議において両国はまだ合意文書の草案さえできていないことを伝えた。これにより、ダウ平均は一時285ポイント下げた、終値は63.2ポイント安であった。

また、その前日にはトランプ米大統領は習近平国家主席との会談が3月1日までの期限までに行われないだろうと発言した。これらは、今後数週間の株式市場への圧力になるだろう。

決算報告では、引き続き注目すべき企業が残っている。今週に控えるコカコーラや、半導体メーカーのエヌビディア(Nvidia)の決算報告は業界全体への洞察を与えるものである。以下が、今週に決算報告を控える3銘柄である。

1. コカ・コーラ

世界最大の清涼飲料メーカーのコカ・コーラ (NYSE:KO)の第4四半期決算が2月14日(木)市場開始前に予定されている。市場予想では、EPSは0.43ドルとみられている(一年前は0.39ドル)。売上高は前年同期比では6.4%減で70億3000万ドルとみられている。

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(画像=Investing.com)

第3四半期では、コカ・コーラはダイエットコカ・コーラの需要増加によって恩恵を受けていた。同社の売上高は前年同期比で2%増であり、中でもダイエットコカ・コーラと、コークゼロの売上が伸びている。

同社は消費者の健康志向が高まっている中で、「総合飲料水メーカー」になるために努力している。

この事業戦略は、過去1年間において同社にとって上手くいっている。50億ドルでのイギリスのCosta Coffeeを買収し、ノンアルコール市場でもっとも堅調なセグメントへの参入を果たした。

コカ・コーラの先週金曜日の終わり値は49.50ドルであり、過去12ヶ月で約20%の上昇である。投資家は、同社がソーダ飲料の低迷を食い止めることができ、ノンシュガー飲料からの売上を伸ばしているかに注目している。

2. エヌビディア

大手半導体メーカーのエヌビディア(Nvidia)(NASDAQ:NVDA) の2019年第4四半期決算が2月14日の市場終了後に控えている。先月にエヌビディアは売上高予想を下方修正しており、今回の予想を引き下げる要因になっている。

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(画像=Investing.com)

下方修正を発表した1月28日、エヌビディア株は2ヶ月ぶりの安値まで下落した。下方修正の要因は、ゲーム需要やデーターセンターからの売上を上げている。

また、同社は下方修正の理由に世界経済悪化を挙げており、特に中国の景気悪化を指摘している。同社は、第4四半期決算では前回の予想の27億ドルから、約22億ドルと下方修正した。

エヌビディア株は、昨年10月の最高値から約50%下落しており、現在では148.17ドルである。悪材料の大抵はすでに織り込まれており、決算でなにがあろうが大きな下落はないと考えられる。同社の決算報告で、注目するのは2019年の業績見通しであり、現在の下落から底を打つかどうかということである。

3. シスコシステムズ

シスコシステムズ(NASDAQ:CSCO) は、2019年第2四半期決算を2月13日(水)の市場終了後に控えている。市場予想は、EPSは0.723ドル、売上高は4.4%増で124億ドルとみられている。

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(画像=Investing.com)

世界最大のコンピュータネットワーク機器開発会社であるシスコの決算によって、大企業による設備投資の状況を知ることになるだろう。

9月の決算報告では同社は第2四半期の決算で5-7%の増加を予想していたが、現在では第2四半期決算の調整後EPSは0.71-0.73ドルと予想となっている。

シスコ株は先週金曜日の終値は47.10ドルであった。クリスマス・イブの安値から17%回復しており、主力のハードウェア事業の好調さが窺える。

同様に、シスコはEnsoftやDuo Securityなどを積極的に買収をし、SaaSビジネスを強化している。半導体企業Luxteraや、最近発表のあったSingularity Networksのさらに2社の買収も進んでいる。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス アンワル