アップルは、独自の動画配信サービスを4月開始を目標に進めていると、米複数のメディアが報じている。このサービスには、ネットフリックス (NASDAQ:NFLX)やHuluは参加しないとのこと。

しかし、我々はアップルの動画配信サービスへの参入が、ネットフリックスのファンダメンタルを大きく変えるものではないと考えている。アップルの参入は長期に渡りネットフリックスに影響を与えるかもしれないが、中期的にはネットフリックス株は強気相場になると考えている。世界的にネットフリックスの需要は増えている。さらに、景気が後退したとしても、ネットフリックスの月10ドルのサブスクリプション料金を惜しむとは考えづらい。

ネットフリックスは、長期的に年8%の成長をすると見込まれている。 クレディ・スイスは、「市場はネットフリックスの登録者は2028年までに3億3500万人になると見込んでいる」と述べている。この登録者数は現在の1億4800万人と比べて2倍である。また、この数字は中国を除いて、インターネットが繋がっている世帯の42%になる計算である。

ネットフリックス株は、10年前と比べると6000%以上上昇している。また、今年だけで33%の上昇である。

ネットフリックスは、米国内の登録者が頭打ちぎみになる中で、値上げを行ってきた。しかし、この値上げ戦略も長くは続かないだろう。アップルも動画配信サービスを4月から始めるとし、ネットフリックスは価格の調整を余儀なくされるだろう。同時に、コンテンツのコストも競争により上がることだろう。HBOの「ゲーム・オブ・スローンズ」は一話あたり1000万ドルかかっている。一方で、ネットフリックスの「ザ・クラウン」はさらに30%の制作費がかかっている。

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(画像=Investing.com)

ネットフリックスの著しい上昇はテクニカル的にも見られる。株価は100週移動平均線で反発し、2018年以来の下降トレンドライン(上図:黒線)を上抜けし、10月15日ぶりの最高値まで到達している。ネットフリックスは、FAANG株の中で、最も強気相場である。

6月以来の下降トレンドラインを下抜けした後で、チャートはアセンディングトライアングルを形成している。

また、移動平均線も、ベアトレンドから転換しようとしていることが窺える。50日移動平均線は100日移動平均線より3%下を推移しているが、上抜けしようと上昇してきている。また、アセンディングトライアングルは、50日、100日、200日移動平均線を抜けて形成している。

最後に、このアセンディングトライアングルは、昨年6月以来の下降トレンドラインを上抜けしており、今後の上昇が見込まれる。

トレード戦略ーロングエントリー準備

慎重なトレーダーは、明らかなアセンディングトライアングルの上抜けによってクリスマス以後の短期的な上昇トレンドが続くことを確認するまで待とう。騙し上げを避けるためにアセンディングトライアングルから約3%の上抜けが必要である。そして、アセンディングトライアングルまで戻ってくるか試すのを待つ、もしくは6月以来の下降トレンドラインを試すかを待つ。その後、大陽線でトレンドを確認してロングエントリー。

一般トレーダーは、2%の上抜けが必要だ。そして、良いエントリーのために押し目を待とう。しかし、アセンディングトライアングルを試すかどうかを待つ必要はない。

積極的なトレーダーは、1%の上抜けでロングエントリー。

トレード例

エントリー: $362
損切り: $355
損切り幅: $7
ターゲット: $385, 10月の最高値の抵抗ライン
利確幅: $23
リスクリワードレシオ: 1:4(提供:Investing.comより)

著者:ピンカス コーエン