iDeCoは、節税しながら老後の資産を作ることができるお得な制度です。2017年1月より、日本に住む20歳から59歳までの人は原則だれでも加入できるようになりました。現在、約160の金融機関でiDeCoに加入できますから、どこを選んだら良いのか、迷っている人も多いのでは?金融機関を選ぶときのポイントについて解説します。
iDeCo口座を開設する金融機関はこう選ぶ
iDeCoを始めるには、金融機関を決めなければいけませんね。iDeCo口座を開設できる金融機関は、証券会社、銀行、保険会社の他に、信用金庫、労働金庫、投資信託の運用会社や専業会社があります。
金融機関を選ぶ際に気を付けたいのは、加入期間中に負担しなければならない手数料と、運用商品数や運用方針といった特徴です。
iDeCoに加入する場合、どの金融機関を選んでも国民年金基金連合会に支払う2,777円が必要です。これとは別に、1,000円程度の加入手数料が必要な金融機関もあります。毎月継続的にかかる費用としては、掛け金が引き落とされるごとに国民年金連合会に支払う103円と、資産の管理手数料として信託銀行に支払う64円、合わせて月額2,004円になります。
一方、口座管理手数料については金融機関ごとに大きな違いがあり、月額無料~450円と幅があります。年末調整での税金の還付や住民税の節税効果以上に手数料がかかることはありませんが、加入している間はずっと必要になりますので、サービス内容と合わせて検討するようにしましょう。
運用商品には定期預金や保険商品などの「元本確保型」と、元本が変動する「投資信託」があります。投資信託は、運用がうまくいけば利益が得られますが、運用がうまくいかなければ損失が出てしまいます。損失のリスクを少なくするために、「広い分散投資ができるか」「自分に合った運用方法を選べるか」などに注目しましょう。
iDeCoにおすすめの口座管理手数料が安い金融機関
口座管理手数料が安いおすすめの金融機関を3つご紹介します。
マネックス証券
マネックス証券の口座管理手数料は無条件で無料です。運用手数料である信託報酬が最低水準に抑えられた運用商品がそろえられ、25本の中から選ぶことができます。「iDeCoポートフォリオ診断」では、ロボアドバイザーによる資産配分の提案が受けられます。
イオン銀行
イオン銀行も、口座管理手数料が無条件で無料です。信託報酬が低い投資信託を中心に24本の中から選ぶことができます。イオン銀行のiDeCoは、みずほ銀行が運営管理機関となります。
大和証券
対面型証券会社の中で大和証券だけが、口座管理手数料が無条件で無料です。2018年10月から信託報酬を低く抑えた「ダイワつみたてインデックスシリーズ」の4本と、人気の「ひふみ年金」も含む新たな6商品を加えて、合計22本に拡充されました。
iDeCoにおすすめの取扱商品が多い金融機関
取扱商品が多いおすすめの金融機関を3つご紹介します。
SBI証券
SBI証券の「オリジナルプラン」は運用商品64本から見直した35本、「セレクトプラン」は信託報酬がとても低く、バリエーションの豊富な34本の中から選ぶことができます。iDeCo専用ロボアドバイザーによって好みに合った商品を提案してもらえます。口座管理手数料は無料です。
楽天証券
楽天証券は、信託報酬が低く、全世界や米国に投資できる投資信託を含む32本の中から選ぶことができます。楽天証券のウェブページから楽天証券のIDとパスワードで、証券資産だけでなく、年金資産をも管理することができるので便利です。口座管理手数料は残高に関わらず無料です。
野村証券
野村証券は、低コストで、初心者の人でも簡単に分散投資ができる運用商品を含む、27本の中から選ぶことができます。野村証券のiDeCoの特徴や申し込み方法について動画を視聴して確認できるなど、Webサービスとコールセンターについても高い外部評価を獲得しています。口座管理手数料は、掛け金が1万円以上または残高100万円以上で無料になります。
金融機関を後から変更するのはお金と時間がかかる
iDeCoに加入するときに複数の金融機関を選ぶことはできませんが、変更することはいつでも可能です。変更先になる新しい金融機関から「加入者等運営管理機関変更届」を取り寄せて、必要事項を記入して返送します。
ただし、それまで積み立てた資産はすべて売却して現金化されてしまいます。また、変更届を提出後2~3ヵ月ほどかかるうえに、金融機関によっては4,000円ほどの手数料がかかります。長い期間加入する制度ですから、コストにも意識を向けて、自分に合った金融機関を検討しましょう。
文・藤原洋子(ファイナンシャル・プランナー)/fuelle
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