新築マンションを選ぶ時には、いくつかのモデルルームを見学し、比較検討して物件を絞り込んでいく人が多いだろう。モデルルームの見学が物件選びの決め手になるといってもいい。だがその際にやってはいけないことが4つある。

マンションギャラリーに直行してはいけない

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(画像=Photographee.eu/Shutterstock.com)

完成済みのマンションであれば、実際の建物内の売れ残り住戸をモデルルームにしていることもあるが、完成前の物件に関しては、最寄り駅の近くにモデルルームの付いたマンションギャラリーが設置されるのが一般的。

ただしマンションギャラリーはマンションが建つ実際の場所とは何百メートルも離れているのが普通で、物件によっては隣駅ほど遠い距離のものもある。その場合には面倒だからとモデルルームだけを見てマンションの建設現場に足を運ばないで契約する人もいるが、それでは失敗する恐れがある。

まずマンションギャラリーに入る前に、先に現地を見ておこう。駅から何分かかるのか、実際に自分たちの足で歩いてみることが重要だ。不動産広告では80m=1分として徒歩時間が表示されるが、その算定には信号待ちや坂道などは考慮されない。そのため、例えば徒歩5分と広告に書かれていても、実際には7、8分かかるケースも少なくない。

現地に行けば周辺環境もわかる。まわりにはどういう家が建っているのか、学校や病院、飲食店などの施設はどういうのがあるのかも確認できる。

いきなりシアタールームに入ってはいけない

新築マンションのモデルルームでは、周辺環境や物件概要をまとめたビデオをシアタールームで上映していることも多い。いかに素晴らしい環境や物件であるかを、プロのカメラマンがテクニックを駆使して撮影し、CGによってイメージをさらに膨らませている。

最近では360度体感型シアターと銘打って、座席を包み込むように広がる迫力ある映像を上映するシアターや、シートが可動式になっていて、まるでテーマパークのアトラクションに乗っているかのようなシアタールームもあるくらいだ。

そんな映像を見せられてしまうと誰しも舞い上がってしまうが、それでは分譲会社の思う壺だ。現地見学を経てマンションギャラリーに入ったとしても、いきなりシアタールームに入るのではなく、最初に模型を見て全体のイメージを把握したい。ついつい舞い上がってしまいがちの人は、あえてシアタールームには入らないという選択もありだろう。映像はCGで作られたイメージにすぎないので見なくても問題ない。

モデルルームを自分たちが住む部屋だと勘違いしてはいけない

モデルルームを見る時に注意したいのが、実際に自分たちが住む部屋とは違うということだ。多くのモデルルームでは専有面積がもっとも大きい部屋をモデルにしているため、実際に購入する住まいがもっとも広い部屋でない場合は、一回りも二回りも狭くなる。モデルルームの広さを自分たちが住む部屋の広さと勘違いせず、狭くなると使い勝手がどうなるかなど、想像力を働かせることが大切だ。

モデルルームのオプション設備を標準設備だと思ってはいけない

モデルルームのなかには別途費用がかかるオプション設備が設置されていることが多い。当然だがオプション設備を追加していけば、何十万円と費用はかさんでいく。そのためモデルルームのどこがオプション設備なのか、標準設備とどこが違うのかを担当者に聞くことが大事だ。

モデルルームは照明やベッド、家具などがプロの手でコーディネイトされていることもあり、物件自体がとても魅力的に映る。モデルルームのオプション設備や置いてある家具に惑わされてはいけないのだ。

モデルルームで舞い上がらずに冷静な判断を

新築マンションの購入となると、一生に一度の経験だという人も多いだろう。高額な買物だけにモデルームを訪れて購入をじっくり検討することはもちろんいいのだが、舞い上がってしまわないように注意したい。そのためにも4つのポイントを頭に入れて間違いのない選択をしてほしい。

文・山下和之(住宅ジャーナリスト)/MONEY TIMES

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